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2011.07.21 インドネシアでの仕事のアドバイス

業務分野別の経験的アドバイス小話【製造編】

以下の小話は、作者が1981年から1995年の間、ジャカルタにあるヤマハの楽器工場で、生産課長そして工場長として駐在していた当時の経験や実例を基に、会社の業務または部門別に、日本人駐在員にとって役立つと思われることを書き出したものです。中には昔話になってしまった事例もあるかもしれませんが、インドネシアの良い面、悪い面を感じとってもらい、現地で仕事をする際のアドバイスになれば幸いです。

【単純な繰り返し作業を苦にしない】単純な繰り返し作業に付いている従業員のことを思って、出来るだけ変化のある作業を取り入れ、作業改善を自分で考えられるような環境を作ろうとしました。しかし、彼らからの反応は『煩わしいから単純作業だけにして欲しい』でした。創意工夫の努力を積み重ねないといけない、と強迫観念みたいなものに追われて来た自分と、アラーの神に全てを委ねて生きているイスラム教徒の違いから来るのか・・・今でも解答はありません。もちろんどちらが幸せなのかも含めて。

【イスラム女性のスカーフ】当時も日本人スタッフと現地人スタッフとの間で揉めたことですが、イスラム教の女性が頭から被るスカーフ(ジルバブ)の使用の是非を巡り、労働争議に発展しているニュースを今でも散見します。確かに回転機械がある職場では、巻き込まれると死亡事故につながる恐れがあります。でも裾を作業服の中にしまい込めば大丈夫です。お互いに冷静に話し合えば解決策はあるものです。労働争議に発展しているところは、感情論な発展しているのではないかと推測されます。

【左手の長い爪】インドネシアでは一般的にトイレには紙が置いてありません。右手で桶を使って肛門に水をかけて、左手の指先できれいに払い落すのです。そのために小指の爪を長くしている人を良く見かけました。この長い爪が作業の種類によっては危なかったり、製品に傷を付ける原因になったりしました。しかし、切れと言われると本人も生活面で困ってしまうので、出来るだけ短くしてもらうことで折り合いを付けました。余談ですが、水で洗い流す習慣は昔からあるようで、日本で最近定着したウォッシュレットの先駆けみたいなものだと思いました。ジャカルタ時代の我が家でも水桶の代わりにホースを取り付けて、もっぱらこの習慣に従っていましたが、なかなか快適でした。

【抜群の視力が仇に】インドネシアの人達、特に工場の現場で働く人達は、当時は日本ほどテレビが普及していなかったことも幸いしていたのか、メガネをかけている人がほとんど無く、視力も抜群に高かった次第です。ですから、製品の目視検査では日本人の指導員も発見出来ない小さな傷を、いとも簡単に見つけ出して不合格にしていました。ところが、その限度が次第に厳しくなり、不良率が異常に高くなった時に調査したところ、抜群の視力がその理由であることが判りました。

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