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2011.07.21 インドネシアでの仕事のアドバイス

業務分野別の経験的アドバイス小話【経理財務編】

以下の小話は、作者が1981年から1995年の間、ジャカルタにあるヤマハの楽器工場で、生産課長そして工場長として駐在していた当時の経験や実例を基に、会社の業務または部門別に、日本人駐在員にとって役立つと思われることを書き出したものです。中には昔話になってしまった事例もあるかもしれませんが、インドネシアの良い面、悪い面を感じとってもらい、現地で仕事をする際のアドバイスになれば幸いです。

【数字が解読出来ない】インドネシアの人達の書く数字は独特のスタイルを持っています(彼らから言わせれば日本人の数字の方が変なのかもしれませんが)。基本的にはタイプライターやパソコンで資料や伝票を作成するので頻繁に困ることではなかったのですが、手書きの資料や帳票が来ると頭が痛くなったものでした。そう言えばアルファベットも独特のスタイルがあったような。それでもインドネシア語の表記がローマ字であるお陰で、外国人はどれほど助かっているか、先人達の先見性には敬意を表します。もしもジャワ語が公用語だったら、私の人生も違ったものになっていたはずです。

【桁違いの日本人経費】物価の違いと為替の関係で仕方のないことではありましたが、日本人のための経費、例えば駐在員の借家代金や出張者の現地払い日当は現地社員の相場に比べて桁が違うため、これらを処理している経理スタッフをどんな気持ちなのだろうかと、いつも気になっていました。もちろん彼らが何かを言う訳ではありませんが、何も感じていないはずはないと思っていました。私生活においても、カラオケバーでの一晩の支払が、お手伝いさんの一ヶ月分の給与とほぼ同じでした。

【赤字でも黒字報告】赤字だから税金は払えませんと税務署に報告すると必ず痛い目に遭いました。僅かでも黒字で税金を支払うと大丈夫でした。税務調査が入ると大変でした。とにかく帳票を全部持って行ってしまうので、仕事が出来なくなるのです。日本の会社が赤字になるはずがない、と言うのが彼らの信念でしたから何を言っても信じてもらえず、抵抗するほどに課税額が上がる始末でした。頼りになる税理士や会計士の確保が必須です。

【親切な材料払い出し窓口】材料や部品を倉庫から払い出す時は必ず伝票を発行すること。現物と伝票は必ず一致していること。これは当たり前のことです。しかし、融通を利かせる親切な窓口担当がいました。『急いでいるので伝票を書いている暇がない』『じゃあ伝票は後でいいよ』、『一箱もいらないよ、欲しいのは50個だよ』『じゃあ残ったのを後で返してくれればいいよ』、というようなことが時々あったようで、棚卸の時になると数が合わない。担当者に言わせると、後で帳尻を合わせれば良いと思った、のだそうです。

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