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2013.02.27 出島『海外ビジネスコラム』原稿

インドネシアで仕事をする時の小話的アドバイス 【隣の工場がまた火事だ】

 隣と言うか、こちらから見たら裏の工場が火事になり全焼しました。向こう側は建築規則に反して境界線のフェンスに密着する形で建屋があったため、炎はこちらの工場にも届く勢いでした。幸い、社内で組織していた自主消防団が活躍し、延焼は免れました。後で判ったのですが、あの火事はオーナーが現金欲しさに火災保険をかけてから放火したとのことでした。

 その数年後、またしても裏の工場が火事。これも新しいオーナーによる火災保険目当ての放火だったようです。この時も社内の自主消防団は本当に役に立つ、頼もしい組織でした。年二回の訓練の時もそうでしたが、こういう興奮した事態になると物凄く張り切る人達でした。

 しかし、彼らの活躍がなければ間違いなくこちらも延焼の憂き目に遭っていたことでしょう。まして、その火元の近くに自社の塗料庫があったので、考えただけでぞっとする思いです。その理由は、駆け付けた本職の消防隊が実際用を成さなかったことにあります。

 火災通報を受けた消防車はかなり遅くなってから到着したのですが、直ぐに消火活動を始めると思いきや、遠くから見ているだけで何もしないのです。そのうち隊長らしき強面の男がやって来て、消火活動の費用を出して欲しいと交渉を始めたのでした。

 こちらは被害者でありとんでもないと思ったのですが、延焼しても困るので要求を呑んだのですが、後から思えばその時はかなり鎮火にしていたので断っても良かったかもしれません。さらに、鎮火した後はこちらの工場の応接室に居座り、恩着せがましく色々と要求されるのには閉口した次第です。

 後から聞いた話では、最初に出動した消防車は6台であったが、途中で3台がエンストを起こし、実際に到着したのは3台だったとのことです。お金のありそうな日系企業だからたかられたのかもしれませんが、毎日のように大火災が発生しているジャカルタの庶民の被災者に対しては、職務を全うしていることを心から願っています。

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