インドネシアで仕事をする時の小話的アドバイス 【先駆者利益】
インドネシアでは、最初に普及に成功したブランドがその商品の一般名称として使われるケースがいくつかあります。
家庭用揚水ポンプは『サンヨー』です。赴任して間もないころに、女中さんが『旦那様、サンヨーが潰れました』と言うので、びっくりして良く聞いたところ、家の裏にある地下水をくみ上げるポンプが壊れたことを言っていたのでした。そのポンプはやはりサンヨーの製品でした。先日、ニュースを観ていたところ、とある田舎の農業施設でポンプが壊れたままで困っているという話があったのですが、その利用者がサンヨーと言っているのを懐かしく聞いた次第です。
カメラは『コダック』です。色々なイベントの際に総務のスタッフは記録係として、ニコンの一眼レフを使っていましたが、呼び名はコダックでした。
小型バンは『ダイハツ』です。インドネシアでは古くからダイハツの小型バンが普及していたようです。2012年のメーカー別の販売台数を見るとトヨタの36.3%に次いでダイハツが14.6%と健闘しています。
日本で郵便配達の人が乗っているタイプのオートバイは『ベベック』です。ベベックはアヒルを意味するインドネシア語で、なんとなくそんな雰囲気がするからなのでしょう。
粉末調味料は『アジノモト』です。これは商品のカテゴリーを超えており、普段あまり日本人を見ない田舎に行った際に、日本人をアジノモトと呼ぶのには閉口してしまいました。
これからインドネシア国内消費市場では、値段は高いが品質が良い日本製品が出回ることは間違いありません。半世紀前に日本製品や欧米の製品を初めて手にした時のように、インドネシアの消費者が、今後最初に普及するブランドを一般名称にすることは十分考えられます。これだけは早い者勝ちです。