2013.03.01
出島『海外ビジネスコラム』原稿
インドネシアで仕事をする時の小話的アドバイス 【街に溢れる監査人、会計士、公証人の看板】
インドネシアの街中を車で走っていると、かなりの田舎町であっても、Auditor(監査人)、Akuntan(会計士)、Notaris(公証人)の看板が、インドネシアオリジナルのファーストフードであるPadang料理店の看板と同じくらい頻繁に目に入って来ます。
なんでこんなに多いのか、理由は簡単です。お役所に提出する書類の多くはこれら専門家のお墨付きを求められるからです。費用は庶民の生活物価に較べると非常に高いので、贅沢さえしなければ、資格を持っているだけで余裕綽々の生活を送れるようです。
この人達は、仮に事務所は狭くて多少傾いているとしても、結構な人脈を持っていることが多く、高層ビルに事務所を構えている外資系の法律事務所や会計士事務所では得られない、裏社会の情報が聞けたりして、また違った意味で役立つことがあります。
現地で販売会社のビルを新築し、その開所式に当時のジャカルタ知事をテープカットの主賓に招きたいとの話になりました。パートナーが当時のスハルト体制に反抗するグループの主要メンバーでもあったことから、交渉の糸口を掴むのに悩んでいたのですが、長年お世話になっていた小さな会計士事務所の主幹が、知事とは小学校の同級生だからと、快く仲介してくれました。
失礼ながら、国税庁対策ではあまり頼りにならなかった方でしたが、この時は本当に助かりました。でも、弟子として仕えていた若い会計士達は、その後は外資系の大手に幹部として引き抜かれていたから、本当は能ある鷹だったのかもしれません。