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2013.03.04 出島『海外ビジネスコラム』原稿

インドネシアで仕事をする時の小話的アドバイス 【取締役の責任は重い】

 日本の本社にいる時は課長くらいの中間管理職でも、インドネシア駐在になった途端に取締役社長とかなるケースも多いと思います。肩書が偉くなったと、喜んでばかりはいられません。もし会社が法的に訴えられた場合、日本人であろうが関係なく、場合によっては日本人であるが故に、最悪の場合は取締役が投獄されてしまいます。当時も日本人駐在員が禁固3年の判決を受け、実際に投獄されてしまったのですが、最近また同じようなニュースがありました。

 私の場合は取締役工場長で、社長ではなかったのですが、社長は常駐していなかったため、特に税務署や税関総局から何か嫌疑をかけられると、その都度出頭を命じられたものでした。当時はまだ若かったこともあり、今思い出してみると、ただ苛められただけのケースもあったようです。インドネシア人のスタッフも付き添ってくれたのですが、会話に入れるように、インドネシア語を必死に勉強するきっかけにもなりました。

 責任が重い分、利点もありました。インドネシアも日本と同様に肩書が物をいう社会のようで、取締役という肩書があることで、関係省庁の高官にも割と簡単に会うことが出来ました。当時の工業省で、私の会社の属する業界を管轄していた総局長は、大臣の直ぐ下の高官でしたが、いつも快く会ってくれるだけでなく、色々な悩みにも親身になって助けてくれました。また、インドネシアの当業界についての意見も求められるなど、一生忘れられない思い出となりました。

 ただ、自分の本当の立場を少し勘違いし始めたのもこの頃でした。気を付けて意識はしていましたが、自分が偉くなったような錯覚をしていたようです。重い責任と利用価値の高い肩書に、本人はあまり気が付いていないことが案外あるようです。

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