2013.05.01
最近のニュースに私的コメント
メーデーで展開される大規模デモ
今年もメーデーにおいて、ジャカルタ都内、空港、工業団地などで、おそらく数万人規模のデモが展開されている。
最低賃金値上げの実施、派遣制度の廃止などを要求する労働組合の勢いは、来年の総選挙と大統領選挙に合わせて益々活発になるだろう。
以前のスハルト体制のように力で抑えない限り、水が高いところから低いところに流れるように、経済成長に伴って賃金の値上げが要求されるのは、自然現象みたいなもので、仕方のないこだと思う。
たとえ力で抑え付けたとしても、大洪水で堤防が崩れるようにいつかは破滅を迎えるものと思う。
大事なことは、そのような流れに対して賃金の変化だけで生産拠点としての優劣の評価を下さないことである。
コストだけでなく、あらゆる分野における158項目について評価すべきであるというのが私の主張である。
しかし、色々なメディアが伝える『インドネシアに詳しい人達の懸念の声』は、ほとんどが賃金の上昇しか見ていない。
相変わらず狭義のものづくりでしかビジネスを考えない習慣に、日本の産業の危うさを痛感する。