2013.05.07
最近のニュースに私的コメント
ジャカルタ東部に高コストの”日本”を作るな
日本の製造業が多く進出しているジャカルタ東部の工業団地に工場を作りたいが、土地代、建設費用、人件費が高過ぎて躊躇している、という話を聞くことが多い。
確かにここ数年の高騰ぶりは異常としか言いようがない。しかし、それを作っている原因の一つが、日本企業による、その地域への一極集中的な進出であることを忘れてはいけない。
日本の大手自動車メーカーがそこに拠点を移しており、ジャカルタ周辺の大渋滞を避けてJITに対応するためには、その地域に進出せざるを得ない、と言う理由も判らないではない。しかし、自動車関連以外の製造業もそこに工場を建設しようとするのは、一体どうしたことだろうか。
理由の一つとして、色々な機関が実施している現地視察旅行に原因があるように思われる。旅程を見ると、参加メンバーの業種に関係なく、ほとんどの場合が、判で押したようにジャカルタ東部の工業団地を視察先にしているのだ。実際、参加した人達に感想を聞いてみると、インドネシアにはジャカルタ東部しか工業団地が無いと思った、と述べる人がいることには驚いてしまう。
JIT対応するにしても、工場を近くに建設しなくても、富山の薬売りみたいに、お客の近くに在庫を置いておいて、使った分だけを後から請求する、VMI(Vender Managed Inventory)と言う方法もある。本当にそういうことを事前に十分研究した上で進出計画を決めたのだろうか。
某大手のコンサルティング会社は、ジャカルタはコストが高くなり過ぎたから、次は東ジャワのスラバヤだと宣伝している。しかし、自社のビジネスにとって、どのような進出の仕方が一番良いかどうか、それは自分の六感を働かせて、自分で決めなくてはいけないと思う。