経営基盤診断
71.戦略的計画立案プロセス管理
会社の規模には関係なく、極端な話、社長一人の頭の中で管理されている場合もありうる。大事なことは戦略立案がプロセスで表現出来ることである。戦略立案としては、例えば、利益を生み出すバリューチェーンを、マーケティング、デザイン、セールス、サプライチェーンのプロセスで考えることなどである。特に他国の企業と競争する海外でのビジネスにおいては、戦略的観点からの発想が大事である。
72.人材管理および指導
インドネシア人の将来の幹部社員を育成するためには、日本以上に体系化された人事制度が要求される。運用は日本的な和の精神とジャワのムシャワラ文化に基づくとしても、制度は欧米式に成果と報奨を明確にしておくことを薦める。
73.ビジネス改善力
インドネシアにおいても小集団活動の一つとして改善提案は広く普及している。表彰制度としてインドネシア国内の研修参加や、日本への研修と組み合わせることで、有望な社員の会社への帰属意識や自己啓発の向上に役立つと思われる。
74.統合された事業運営
中期事業計画、年間予算計画、月別販売計画、月別生産計画、月別調達計画、等々は一つの管理要素(例えば、在庫レベルや出荷数量など)に対して一つの数値で統一されているか。聞く相手によって異なる定義(時間や単位)で捉えられたデータで仕事が回っていることが多く、それが過剰在庫や売り玉不足と言った不測の事態を引き起こす。
75.製品およびサービス管理
インドネシア独自の製品開発が必要な時期が来るかもしれない。その際に現地法人に必要とされる体制や機能は何か、コスト、品質、納期だけ押さえれば良いという訳にはいかない。
76.需要管理需要
予測精度を高めることはもちろん大事であるが、予測が外れた場合の素早い対応も大事である。徹夜で頑張るとかの精神論ではなく、その時の具体的な仕組みを予め確立しておき、日本人だけが右往左往することの無いようにしておきたい。
77.サプライチェーンマネジメント
メーカーにとって、材料調達、生産、納入からなる一連のプロセス、すなわちサプライチェーンは企業活動の基盤をなすものである。材料ベンダーから最終顧客までの仕事を、本来は停滞、冗長、重複などの無い一つの流れとして見る。
78.内部供給管理
メーカーにとっては、サプライチェーンの中でも重要な機能は内部供給機能、すなわち生産活動である。それは体の状態に応じて適切な量の血液を適切なスピード全身に送り続ける心臓なような働きでなくてはならない。
79.外部調達管理
インドネシアでのオペレーションは調達面での制約が非常に多い。逆に言うと調達面で競合と差をつけること、あるいは差をつけられることが比較的容易である。