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2014.09.21 インドネシアでの仕事のアドバイス インドネシアでの失敗談

無理な増産は百害あって一利なし

 1993年だったと思いますが、円が1ドル当たり79円までになり、本社の輸出部門は大騒ぎになっていたようでした。そして、某事業部長がインドネシアに来て言われたことは、輸出商品の多くをインドネシアで生産するように急ぎ準備しなさいとのことでした。

 当初は、それまで生産していた商品の2割増しくらいかと高を括っていたのですが、要求は想像を遙かに超えた、それまでの数量の4倍でした。それも、アメリカ市場向けがメインのため、クリスマス商戦に合わせてある時期に集中して生産することから、実質的に10倍の生産能力を求められるものでした。

 普通は誰が考えても躊躇します。しかも、ほとんどお金を使わないで、今あるリソースを基に知恵を絞って実現しろと言うのですから、これは出来ない相談だと判断し、要求は断ることにしました。

 しかし、本社の責任者が言うには、全社を挙げて危機的状況を乗り越えるために必死なのに、お前はそれが分からないのか、出来ないのなら直ぐに会社を辞めろとのことで、こちらも意地になって引き受けてしまったのです。

 それから本社に更迭されるまでの2年間は地獄のような毎日でした。最後の半年くらいは頑張る気力も失せてしまい、日本人とインドネシア人の部下にどれだけ迷惑をかけたのか、ただただ申し訳ない気持ちで一杯です。

 それでも、後任者の地道な努力と本社の支援で、その後のインドネシア工場がグローバル生産拠点の一つとして大きな役割を担っていることが心の救いです。

 本社からの無茶な増産要請は絶対に受けてはなりません。あまり無理を言うようでしたら、最後はDOY『だったらお前がやれ』を突き付けましょう。

インドネシアビジネスサポート