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2014.12.25 インドネシアでの仕事のアドバイス インドネシア語入門編

私のインドネシア語勉強方法

私のインドネシア語勉強方法

 私が正式にインドネシア工場駐在の辞令を受け取ったのは26歳の時でした。赴任前の慌ただしい日々の間に、1週間だけ名古屋の外国語学校に通い、インドネシアからの留学生である先生とのマンツーマンで、日常会話の特訓を受けたのが最初でした。

 しかし、所詮は日常の挨拶程度しか出来ないレベルだったので、いざ工場の現場に入り、インドネシア人社員から何かを言われてもさっぱり分からない現実に唖然ととしてしまいました。

 これではいけないと思い始めた以下のような勉強を、その後15年間の駐在期間中を通して続けたのが、私にとって大きな財産になったと確信しています。

①読む

 今でも発行されていますが、インドネシアのTIME誌と称されるTEMPO(意味はTIMEに近い)と言う週刊誌を購読しました。

 読むのは週末の休日の自宅で、最低2時間は読むことを自分に義務付けました。最初の頃は知らない単語がほとんどで、辞書を片手にページの半分を読むだけでも一苦労でした。

 しかし、帰国する頃にはほとんど辞書無しで、5分から10分くらいで1ページを精読出来るレベルまで上達出来ました。

 TEMPOはインドネシア人も認める格調の高い文章と内容の雑誌で、読む力を付けるだけでなく、インドネシアの政治や経済など、幅広い分野の最新の知識を得ることに繋がったと思います。この時の経験から、インドネシア語の勉強の目的で何かを読むときは、出来るだけ最新の情報を同時に得ることが可能な方法を取るようにアドバイスしています。

 日本に帰国した後は、もっぱらインターネットのニュースサイトを読むことが多く、見たことのない新しい用語がどんどん出て来ますが、辞書はほとんど追い付いて来れないので、これもインターネットで検索して意味を確認するようにしています。

②書く

 読むことに較べて書くことの機会は非常に少ないのが事実です。そこで、工場で必要な資料を日本語のまま本社から取り寄せて、片っ端からインドネシア語に翻訳することを始めました。

 但し、所詮は素人の日本人が翻訳したものですからおかしな表現や意味不明な表現がたくさんあると思い、信用出来るインドネシア人の幹部社員に都度校正をお願いしました。

 実際に書いてみると、自分は如何にインドネシア語を理解していないのか、本当に良く判りました。読めるから書けるというものではないことも痛感しました。しかし、書けると良く読めるのです。

 片っ端から翻訳資料は、工場の人材育成や改善活動などのテキストとして活用出来るものを選んだので、これも一石二鳥でした。

 帰国してからは翻訳の仕事も請け負うことがありますが、この時の経験が非常に活きています。

③聴く

 当時はテレビ放送は国営の一局のみで、番組の中身も興味がなかったのでほとんど視ることはありませんでした。国営のラジオ局もありましたが聴いたことはありません。

 しかし、工場に居ると朝から晩まで、インドネシア人社員との会話や、彼ら同士の会話には耳をそばだてていました。そして分からない単語や表現があると、必ずその場で確認するように努めていました。

 最近は通訳を使う会社が多いように見受けられますが、私の自慢は、上司が公式な場で話をする場合や、VIPとの会見の場での通訳を担当したことはありますが、自分自身ために通訳を使ったことが一度も無いということです。

 今は日本に居てもインターネットを通じていつでもインドネシアのニュース番組をライブで視聴出来ますので、毎日のように仕事をしながら聞き流しています。

④話す

 赴任した直後に歓迎会があり、知っている限りの単語を無理やり繋いで挨拶をした後に、現地の役員から『出鱈目ぶりが面白かった』とからかわれたことを今でも忘れません。

 前述のように私は一貫して通訳を使わなかったので、社内での会議、業者との打合せ、現場での朝礼などは全てインドネシア語で通しました。

 インドネシアの人達は非常に気さくで、間違った表現をすると面白がってくれるので、逆に間違いを気にしないで、小野流インドネシア語でどんどん話しました。

 最近はインドネシアとの国際電話も、無料で出来るネットサービスがいくつかあり、とても重宝しています。しかし、面と向かって会話をするのと違い、声だけの会話と言うのは正しい発音を要求されるため緊張します。

 RとLの違い、NとNGの違い、Hの有無による違い等々、日本人にとって難しい発音は出来るだけ大げさに表現するように努めています。

 読む、書く、聴く、話すの全体を通して私が拘ってきたことは、習うより慣れろです。とにかく毎日続けることです。気が付くといつの間にか上達している自分に驚きます。

 そんな自分の力を試すべく、数年前にインドネシア語検定のA級を受けてみました。一次の筆記試験は一回で通過出来ました。問題はヒアリングの二次試験でした。インドネシアとは全く関係の無いヨーロッパの有名な作曲家についての内容で、背景を知らないのは致命的でした。結果は『あと少し』と言う評価でしたが、再度チャレンジすることはないでしょう。

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