これからのインドネシア進出日本企業に求められるのは地場産業育成の気迫
2014年10月にインドネシアの新大統領に就任したジョコウィ氏の下、新政府は矢継ぎ早に新たな方政策を打ち出して来ています。
これらは就任前から予測されていたことで、驚くべきものではありませんが、簡単に言うと、ナショナリズムの高揚を目指したものであると思います。
ジョコウィ氏は大統領とジャカルタ州知事になる前は、中部ジャワの古都ソロ市の市長として、地元の工業高校がインドネシア国民車を作ることに(かなりの部品を中国が無償で提供したとの話もあり、その本当の現地生産比率と製造コストには疑問がありますが)大変力を入れていたことは有名な話です。
また、私も某楽器会社のインドネシア工場からの輸出に喜びを感じていたことを考えると、ジョコウィ大統領自身、父親から譲られた家具製造会社のオーナーであり、欧州への輸出に力を入れていたことを考えると、とても共感する次第です。
しかし、これから日本の中小の製造企業が、従来の感覚でインドネシアに進出しようとすると、新政府の方針が打ち出すナショナリズム的な政策に戸惑いを感じるのではないかと懸念しています。
今世紀に入ってからは、インドネシアに進出する製造会社は100%独資が認められるため、ほとんどの企業は低賃金の労働力と、取引先に対するサービス向上を目的に、工場を一つ増やすような感覚で進出して来たのではないかと推測されます。
しかし、ジョコウィ政権下ではその他に、様々な形での、地場産業の育成という条件が付けられるように思われます。
これを障害と見る企業が多いと思いますが、インドネシアがスハルト政権時代に経済成長を遂げた時代は、100%独資は禁止されていたので、現在インドネシアで成功している、古株の日系企業は、合弁により現地パートナー企業の成長にも貢献してきたことを忘れてはいけないと思います。
日本の経済成長を押し上げて来たのは、大企業よりも大多数を占める中小企業のひた向きな技術の追及であると確信しています。これからは、それらの技術を世界有数の親日国であるインドネシアにも伝授することで、日本の価値を維持高めることが必要であると感じています。