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2017.06.23 インドネシア進出、成功と失敗の分岐点

インドネシア進出、成功と失敗の分岐点-8 日本人の意識

 インドネシアでは日本的経営や日本流工場管理という言葉を良く耳にし、それなりに評価されているのも事実であると思います。勘違いしてはいけなのですが、インドネシア人社員に日本人のようになれと言っているのではないのです。しかし、実際には勘違いしている日本人が少なくないのです。その結果、日本人同士での会話で聞かれるのは『インドネシア人は駄目だ』という愚痴の諦めです。駄目なのはそれを言っているあなたなのです。

 日本人はインドネシア共和国という他国の地で仕事をさせてもらっている外国人です。いわゆるよそ者です。ですから、日本的経営や日本流工場管理を導入するにしても、それを実践する人達、すなわちインドネシア人に合わせた形にしなくてはいけないし、そうしないと軋轢だけが起きて日本人とインドネシア人のお互いが不幸になってしまいます。

 その一つ目が仕事の教え方です。日本人が日本人に教える場合は、What to doとHow to doを教えるだけで十分でしょう。なぜなら、同じ文化と言葉で生きて来ていますからWhy Where When Whoは自分で考えるし、分からないと聞いて来ます。

 しかし、異なる文化と言葉で生きた来たインドネシア人にとって、What to doとHow to doだけを教えて、Why Where When Whoは自分で考えろと言うのはとても難しいと思います。特にWhyを理解出来る可能性はとても低いでしょう。ところが、このWhyすなわちなぜこの仕事をするのか、その意義を理解させないまま仕事をさせると、当たり前ですが応用が利きません。そして日本人の口からは『言ったことしかやらない』との愚痴が出る訳です。

 その二つ目は性善説と性悪説の使い分けの拙さです。単一民族で生きて来た日本人は基本的に性善説で、無意識のうちに他人を信頼することを美徳とする傾向があるため、契約書の類をあまり重要視しません。その一例として操業して一年以上経っているのに就業規則を制定していない会社が時々あります。

 規則が明確に文書化されていない会社では、従業員は何を拠り所に日々の行動を律するべきなのでしょうか?日本人のその都度の反応でしょうか?こうなったら最悪です。日本人が気が付かなければ良いとなってしまいます。気が付かなければ少しくらい会社の金を使っても良いだろう・・・・となってしまいます。これは犯罪者を醸成しているのと同じことです。規則は性悪説で厳しく制定することがお互いの幸せのためです。