インドネシア進出、成功と失敗の分岐点-10 本当にインドネシアでいいんですか
デフレが続く日本での需要不足による経営難を克服するために、経済発展を遂げている東南アジア諸国に新たな市場を求めている中小企業の社長さん達から相談を受けて来ました。
私の専門はインドネシアへの進出支援ですから、相談を受ける際のテーマはインドネシア進出に際してのアドバイスです。
まず最初に、何故インドネシアを選んだのですかと聞いてみるのですが、答えは人口が多く消費市場として可能性が高い、資源が豊かで材料が安く手に入りそうだ、平均年齢が低いので労働力が豊富にある、親日国家で仕事をしやすい環境にある等々です。
その根拠は何ですかとさらに聞いてみると、色々な機関によるセミナーでの情報、視察団に参加して現地を訪問してみて感じたこと、インターネット上で調べた情報等が答えとして返って来ます。
しかし全般的に感じることは、定量的な情報よりも定性的な情報が多い、色々な機関の情報や訪問先の情報を鵜呑みにしている、体系的な国別の比較評価が行われていない等の傾向があることです。
進出先国の選定に当たっては、以下の全ての項目について調査することは必要ありませんが、自社の置かれている状況に鑑み、必要な項目を選択し優先順位を付けて、出来るだ定量的に比較評価することが望まれます。
1.操業コスト
1.1 賃金
1.2 輸入コスト
1.3 電気料金
1.4 水道料金
1.5 通信料金
1.6 スタッフコスト
1.7 駐在員コスト
2.投資条件
2.1 外資規制
2.2 最低投資額
2.3 許認可手続
2.4 用地取得
2.5 投資優遇策
3.環境規制
3.1 排水規制
3.2 排気規制
3.3 廃棄物規制
3.4 騒音規制
4.税金制度
4.1 法人税
4.2 所得税
4.3 その他税
4.4 減価償却
5.労働事情
5.1 雇用条件
5.2 労働組合
5.3 外国人労働規制
6.カントリーリスク
6.1 自然災害
6.2 労働争議
6.3 政変・テロ
6.4 戦争・内戦
6.5 金融・通貨危機
7.サプライチェーン
7.1 現地調達
7.2 外注管理
7.3 輸送業者
7.4 通関手続
7.5 船・航空便
8.産業インフラ
8.1 空港・港湾
8.2 道路・鉄道
8.3 電力供給
8.4 上下水道
8.5 通信網
8.6 工業団地
8.7 産業機械・設備
9.社会インフラ
9.1 銀行
9.2 損害保険
9.3 警備保障
9.4 情報技術
9.5 ジェネコン
9.6 設備工事
9.7 法律事務所
9.8 監査法人
9.9 電子政府
10.人的資源
10.1 経営陣
10.2 管理職
10.3 専門職
10.4 一般事務
10.5 作業者
11.国内市場
11.1 人口
11.2 購買力
11.3 マーケットシェア
11.4 特殊性
12.生活環境
12.1 衣料
12.2 食料
12.3 住居
12.4 教育
12.5 医療
12.6 娯楽
12.7 気候
12.8 言語
12.9 宗教
12.10 治安
12.11 交通機関
12.12 対日感情