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2017.06.30 インドネシア進出、成功と失敗の分岐点

インドネシア進出、成功と失敗の分岐点-11 日本の成功体験

 日本は戦後の昭和の時代に高度成長を遂げて先進国の仲間入りを果たしました。定量的なマクロ経済で見るとインドネシアはその当時の日本に良く似ていると思われます。中国経済の停滞の煽りを受けてここ数年は景気が悪いと言われていますが、それでもGDPは5%台の成長を続けています。業界によって成長のスピードは異なりますが、何よりも都市部の活気の中にいると経済成長を肌で感じることが出来ます。

 忘れてはいけないこととして、日本が高度経済成長を遂げた背景には終身雇用と年功序列があります。新卒で採用された人材は定年まで雇用を保証される代わりに、社内で身に付けた能力を会社のために発揮することを当たり前として来ました。ここでは企業の成長に必要な人材投資が長い期間にわたり効果を出して来ていました。

 しかし、80年代後半からのバブルとその崩壊を境に、このような日本企業独特の慣習はあたかも悪い事であるような扱いを受けて、構造改革や規制緩和の名の下に終身雇用の正社員は派遣社員に置き換えられ、企業の短期的な収益は改善されるものの、人材投資とその効果が無くなってしまった企業は成長の力をどんどん失って来たように見えます。

 インドネシアに進出する日系企業にとって、戦後の日本が辿って来た足跡の中に、実は成功例ならびに失敗例がたくさんあるのです。幸いなことにインドネシアの人達は素直に日本に学ぼうという気持ちを持っています。どうか日本が平成になってから犯した失敗例を導入しないように願って止みません。