お問い合わせ

採用募集中!

2017.07.02 インドネシア進出、成功と失敗の分岐点

インドネシア進出、成功と失敗の分岐点-13 労働組合

 インドネシアの労働組合法では、10人以上の従業員が同意することで企業内労働組合を結成することが可能となり、会社側はそれを拒絶することは出来ません。また、労働者は会社に対して事前に通知することでストライキを行う権利を労働法で保証されています。

 『我が社では労働組合を作らせないし、従業員もそんなものは必要ない』と主張している日系企業の社長さんを時々見かけますが、もしこれを実践すると労働組合の結成を保証している労働法に違反しているだけでなく、ある日突然組合を結成され、さらには突然のストライキを打たれて大変な打撃を受ける危険性を孕んでいます。

 インドネシアの企業内労働組合は地域の産業別労働組合連合のいずれかに属することになり、その連合はさらにその上の連合組織に、そしてその連合組織はさらにその上の連合組織という具合にピラミッド構造になっています。これらの組織の運営資金は労働組合法で定められている組合員からの上納金で賄われるているため、仮に従業員が労働組合の結成を望んでいなくても、その地区の上部組織が放置しておくことはありません。

 会社側、特にインドネシア語がまだ不自由で従業員とのコミュニケーションが上手く取れていない日本人の知らないところで、社外からのオルグや時には脅迫めいた圧力が従業員に及び、従業員の発意でないとしても突然のように労働組合が結成される危険性があります。

 仮に労働組合がまで出来ていないとしても、従業員として送り込まれた活動家に扇動されてストライキを打たれ、長期に亘って操業に支障を来し、取引先からの仕事を無くしてしまう危険性もあります。

 このようなリスクを避けるためには、いつかは労働組合が誕生することを前提に、従業員代表との月一回程度の定例的な情報交換会みたいなものを開催し、普段からコミュニケーションを取っておくことが重要です。そのためにもインドネシア語の習得は大事なことであると言えます。