2017.12.21
インドネシア進出、成功と失敗の分岐点
インドネシア進出、成功と失敗の分岐点-16 社長の視点
インドネシアに会社を設立して事業を展開することは、荒海に船を漕ぎ出すようなもので、船長である現地法人の社長は操船についての経験と知識だけでなく、海図や気象、行く先々の港についての多くの情報と分析力を持っていないと安全な航海が保証されません。
しかし残念なことに多くの現地法人の社長にはそのような意識は少なく、自社製品のモノ作りの世界に閉じ籠っている人が大半です。
これは冒頭の船長に譬えると、操船技術は高いが、その他のことについては興味は無く、海図や気象、行く先々の港についての多くの情報と分析力を持たずに大海に船を漕ぎ出すようなものです。
運が良ければ天候と海流に恵まれて目的地に無事に辿り着くことが出来るでしょうが、万が一不幸にして嵐に巻き込まれたり、危険な土地に辿り着いたとしたら大変なことになってしまいます。
現地法人の社長にとって必要な『海図や気象、行く先々の港について情報』とは、インドネシアを含む国際社会の経済、政治、自然環境、文化などの現状理解と変化の動向です。
これらは日本だけでなく世界中の大手新聞やテレビからだけでは本当のことを知ることは今や難しい時代になっていますので、自分自身でアンテナを高くして情報を取りに行き、色々な専門家の意見を基に自分自身の頭で考えることが要求されます。
思考停止していては船は大海の嵐に巻き込まれて沈んでしまいます。社長の視点は常に水平線の彼方になくてはなりません。