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2018.04.09 インドネシア進出を検討している社長さんへのメッセージ インドネシア進出準備

資源はあるが材料がない

 インドネシアは天然資源に恵まれた国です。それ故に20世紀の半ばまでは欧州列強により植民地化されてしまいました。当時は砂糖キビ、天然ゴム、香料などの栽培が強制され搾取されていました。そのために現地の人達の食料となる穀物の栽培が出来なくなり大量の餓死者が出たこともあったようです。
 1945年に独立してからはこのような悲惨な植民地政策から解放されましたが、天然資源は違った形で未だに搾取されていると言えるでしょう。では誰が搾取しているのでしょうか。それはインドネシア人の権力者と海外の大資本家でしょう。
 インドネシアでは未だにプラスチック、金属などの工業材料が自国でほとんど生産されていません。原料となる石油や鉱石は豊富にあるのにどうしてでしょうか。インドネシア人の権力者が海外の大資本と組んで、資源の輸出で儲け、そしてそれを加工した工業材料の輸入で儲ける利権の仕組みが根付いているからです。現政権はその仕組みを少しずつ無くして、資源から工業材料へのプロセスを国内で完結すべく努力しているようですが、膨大な既得権が絡むしがらみを無くすのには長い時間が必要であると思われます。
 以上のことから現地で調達出来る工業材料の多くは日本、中国、韓国、台湾、インドなどからの輸入品または現地でのリサイクル品であり、その価格は決して安くはなく、仕様を特定すると手に入れること自体が難しくなります。安くてそこその品質の材料を現地調達するのであれば中国に進出するのが最適ですが、共産党の独裁が益々強化されて、外国企業であっても経営陣の上に共産党委員会の設置を強制されるのが時間の問題である国に進出するのは薦められません。
 それ故、インドネシア進出に際しては材料の調達ルートを綿密に確認して、果たしてコストが合うのかどうかを事前に試算しておかないと、それがネックになって生産が始められないとか、最悪のケースでは工場を建ててから進出を諦めることになってしまいます。ここで半年や一年の時間を惜しんではいけません。