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2018.11.05 コンサルタントの独り言

Time for a Change

 ヤマハに入社した翌年の1976年夏、所属するビッグバンドのベーストロンボーン奏者として、アメリカのカリフォルニア州にある大学のキャンパスで開催されていた、スタンケントンオーケストラによるジャズクリニックに参加した。
 夏休みを利用して、アメリカ全土から中学生、高校生、そして大学生までのアマチュアジャズマンが参加者する一大イベントであった。
 私も参加者で編成されるバンドに組み込まれた訳であるが、レベルを確認するためのテストで、初見で演奏してみろと言って渡された楽譜がTime for a Changeという曲であった。
 この曲は七拍子で、一二三四、一二三、一二と数えなくてはならず、生まれて初めてのへんてこりんな曲にすっかり度肝を抜かれ、手も足も出なかった。
 そのためか、私が配属されたバンドは多分一番レベルの低い中学生で構成されるバンドであった。しかし、中学生といってもさすがはジャズの本場アメリカだけあって、そのレベルの高さには舌を巻いた。
 この時のアメリカ行はクリニックだけでなく、時には行く先の街で演奏会を開いたりして、西海岸を巡る旅であった。
 当時のアメリカは全世界のGDPの6割以上を占める全盛期で、その豊かさには驚かされた。見るもの全てが大きくて綺麗で、初めて見るものがほとんどであった。
 郊外の巨大なショッピングモール、高速道路沿いにあったファミリーレストラン、広大な敷地の公園のような大学のキャンパスと高級レストランのような学生食堂。
 しかし、この時期を境にアメリカ経済には陰りが見え始め、逆に日本経済が急激に成長して、Japan As Number Oneなどと言われるようになって来た。
 そして1990年頃に迎えたアメリカとの経済戦争で日本は太平洋戦争に次いで完敗して、未だに経済は低迷したままである。アメリカは自分達を超えようとする国を決して許しはしない。トランプ大統領が主張するAmerican Firstにはこの意味もあることを忘れてはならない。
 そして現在では経済と軍事の面でアメリカを超えようとしている中国が叩かれている。
 世界はTime for a Changeを何度も経験している。