インドネシア工場のサプライチェーン構築
小野耕司
2019-02-18
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インドネシアに工場を設立するということは、そこに一つのサプライチェーンの中心的な機能を構築することを意味します。サプライチェーンとは資材あるいは製品を調達し、それらに付加価値を加えて完成させ、顧客に納入するという、原材料から最終ユーザーまでの一連のプロセスの繋がりです。この一連のプロセスには、一般的には原材料サプライヤから小売店までのいくつかの企業がプレーヤーとして存在しますが、自社にとってのサプライチェーンの中心となるのは通常は自社工場となります。
この工場を単なる物作りの場と捉えるのではなく、原材料まで繋がる上流のサプライチェーンと、最終ユーザーまで繋がる下流のサプライチェーンの中心と捉え、これらの管理体制を論理的に整えることがサプライチェーン・マネージメントと呼ばれるものです。
工場の個別要因である作業者、製造技術、作業基準、設備機械、治工具等々の管理とは別に、サプライチェーン・プロセス全体を俯瞰的に把握して、売上、コスト、利益の最適化を図るための経営体制を構築することが本書の目指すところです。
インドネシア工場の責任者は狭義の物作りに専念するのではなく、広義の物作りとも言えるサプライチェーンの構築と運営に努めるべきであると考えます。
本書の内容は、サプライチェーン・カウンシルが提唱しているサプライチェーンの管理マニュアルであるSCOR(Supply-Chain Operation Reference)モデルを基に、各ステップに沿って管理の仕組みを構築することで最適なサプライチェーンを構築出来るように工夫してあります。
インドネシアで工場を運営される皆様のお役に立つことが出来れば幸いです。
目次
Step-1. サプライチェーンの基本概念を理解する
Step-2. 日本の本社におけるサプライチェーンを可視化する
Step-3. サプライチェーンのどこをインドネシアに構築するのかを明確にする
Step-4. インドネシア工場のサプライチェーンを可視化する
Step-5. 各プロセスの機能と役割を確認する
Step-6. サプライチェーンを最適化する管理業務を配置する
Step-7. サプライチェーンの現状性能と目標性能を比較する
Step-8. 性能を改善するための施策を計画して実施する
Step-9. サプライチェーンを再構築する
Step-10.Step-5からStep-9を繰り返してサプライチェーンを更に改善する