2019.04.08
コンサルタントの独り言
ビジネスの中にも活かされる伝統文化と建国の精神
インドネシアのジャワにはMusyawarah-Mufakatという伝統があります。これは話し合いによる総意の形成という意味で、多数決による西欧式の民主主義に対するジャワ式の民主主義であると理解しています。
皆が納得するまで時間をかけてじっくりと議論を重ねることは、色々な場面で係争が起きた場合でも直ぐに裁判に持ち込むのではなく、まずは当事者同士でMusyawarah-Mufakatによる解決を図りなさいと法律にも書かれています。
政府は産業活動も建国五原則であるパンチャシラの精神で進めなさいと指導していますが、そこでもMusyawarah-Mufakatを尊重するようにとしています。
実は日本も明治維新で西欧文化を真似るまではこれと似たような文化があり、その基になっていたのが聖徳太子による十七条憲法の第一条、和を以て貴しとなすであったと思います。
このこともインドネシアと日本が相互に親しみを感じる理由の一つではないかと思います。
また、1968年から30年続いたスハルト政権は明治維新以降の富国強兵政策に似たようなものであったと思います。
インドネシアは政権交代はあったものの、今も富国強兵政策を継続していると言えるでしょう。しかし日本は1945年の敗戦で強兵政策を捨てさせられ、1990年のプラザ合意で富国政策をも破棄させられました。
両国が一緒になって富国強兵政策を展開出来る日が来ることを願って止みません。