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2019.05.24 最近のニュースに私的コメント

大統領選挙結果公表後の混乱

先の大統領選挙の結果が公式に発表された5月21日から23日にかけて、ジャカルタ市内では大規模なデモと暴動が起きて、ジャカルタ州知事の発表では8人が亡くなったそうです。

勝利したジョコウィ大統領側の大方の意見は、敗北したプラボウォ側が画策したものだとしています。

もしかしたら、反対にジョコウィ側がプラボウォ側を壊滅させるために仕組んだ罠かもしれません。

今のところ真相は判りません。

1998年のジャカルタ暴動と同様に、真相は闇に包まれたままになるのかもしれません。

しかし、今回の暴動の様子をニュースで視ていて最初に思ったことは『またか!!』ということでした。

スハルト政権時代のガス抜き的な選挙運動の間の狂騒、1998年5月のジャカルタ暴動によるスハルト政権の崩壊、その後のユドヨノ政権成立までの政治不安、ユドヨノ政権下での労働組合による派手なデモとストライキ、そしてジョコウィ政権になってから目立つようになったイスラム勢力による政治活動を回想しました。

多民族、多宗教、多言語(インドネシア語という共通の国語はありますが)からなるインドネシアが抱える問題は複雑で一筋縄では行かないことをつくづく思い知らされます。

体制側も反体制側も共に強調するNKRI(Negara Kesatuan Republik Indonesia一つの国家インドネシア共和国)、Pancasila(国家建設五原則)、Bhinneka Tunggal Ika(多様性の中の統一)と、そのシンボルがとてつもなく重要であると実感しています。

Pancasila_3

逆に日本は単一民族、単一宗教(表現は難しいのですが、神仏共存が示すように排他的ではない)、単一言語の国であり、少なくとも戦後74年間は国の統一ということを意識しなくても良い平和で安穏な時を過ごして来ました。

意識しなくても良かったのは、単一民族、単一宗教、単一言語に加えて、万世一系の天皇を国民の象徴とし、国の周囲を海洋で護られているからでしょう。

インドネシアとお付き合いをしていると、逆に自国日本について深く考えさせられることがあります。