2020.06.04
思い出深きインドネシアの人達との付き合い
珍しく押しの強いジャワ人のS君
年齢は私とほぼ同じでしたが、1期入社の工員らしくどこか他人を威圧するような雰囲気を持っており、私に対する時も冷淡で少し距離を置くような印象がありました。
強いリーダーシップは周囲からも認められていて、従業員主催のイベントではいつも何かしら主要な役割を担っていました。
職場でもその能力は活かされて、幹部候補生として順調に昇格していましが、間が差したのか、事務所にいた人気者の女性スタッフと出来てしまいました。
奥さんとの夫婦問題が会社にまで持ち込まれ、インドネシア人の総務部長とは以前から意見の相違でぶつかることもあったせいで、彼は解雇を強く主張しました。
しかし、私は彼の能力がどうしても惜しくて、本当に心を入れ替えて出直す気があるのか、長時間二人だけで会話をしました。
なんとか解雇は免れた後は人が変わったように角が取れて、益々周囲からも信頼されるようになり、定年を迎える時には数千人の従業員を抱える工場の総務部長として花道を飾ったと聞いています。
引退した後は多くの孫達に囲まれて気楽な隠居生活を送っているとのことで、少し羨ましい気もします。