2020.10.07
最近のニュースに私的コメント
労働法改訂とデモ騒動

コロナ問題で世の中が混乱する中、インドネシアの国会で5日、重複する法令を統合した「オムニバス法案」のうち、雇用創出法案が賛成多数で可決成立しました。
この法案の主な変更点は以下の二点です。
1.退職金最大支払額を32ヶ月分の給与から25ヶ月分に減少させる。
2.最低賃金見直し計算の基になる成長率とインフレ率を全国一律から地域毎に設定する。
政府としてはコロナ問題により疲弊した経済を早く回復させるためにもこの法案の可決を急いだと見られています。
しかし、これに反対する労働組合と学生からの反発は予想されていた通り全国に広がり、コロナ問題で多少は規模の制限も取られていますが、暫くは騒ぎが収まらないと危惧されます。
コロナ問題で操業規制下にある企業が、デモに従業員を駆り出された日には泣きっ面に蜂でしょう。
初めての庶民出身の大統領として、ソロ市長、ジャカルタ州知事と駈け上がって来たジョコ・ウィドド氏ですが、元々はソロで家具メーカーを経営して輸出で財を成した企業家でもあります。
国の経済発展と庶民の生活保障の両方を満たすのはなかなか簡単なことではないでしょう。