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2020.12.07 インドネシアでの仕事のアドバイス

日本から輸入した商品をインドネシアで販売する時の価格を計算する

日本から輸入した商品をインドネシアで販売する時の価格を計算する際の、極一般的な事例を紹介します。
輸入時の税金の処理方法を間違えている場合が時々見られますのでご注意下さい。
個々では判り易いように、日本国内において小売価格100円で売られている商品を題材にして、単価ベースで計算してみます。
■出荷価格50円

日本国内小売価格100円の場合の自社からの利益を含んだ出荷価格を50円と仮定します。
■輸出諸経費5円

自社の工場または倉庫から出荷して通関をかけて船会社に渡すまでの運送費と乙仲費用を5円と仮定します。
■輸出価格FOB55円

船会社に渡した時点で所有権が輸入者に移るFOB取引の場合は出荷価格50円と輸出諸経費5円の合計になります。
■海上運賃1円

コンテナー料金の総額を積載数量で割った料金を一個当たり1円と仮定します。
■海上保険1円

通常はFOB価格の0.3%程度ですが、ここでは1円と仮定します。
■現地到着価格57円=Rp.6,840

輸出価格に海上運賃と海上保険を加えたものが現地到着価格57円となり、為替レートをRp.120=1円とするとRp.6,840となります。これはCIF価格とも呼ばれます。
■輸入税Rp.684

現在のインドネシアでの輸入税率はCIFの0%から150%に及んでいますが、ここでは比較的品目数の多い10%と仮定します。

特恵関税の対象で0%のケースが増えていますので要注意です。
■奢侈品税Rp.684

贅沢品に課される税金で、CIFの10%から200%に及びますが、ここでは10%と仮定します。

贅沢品に該当しない場合は計算されません。
■付加価値税Rp.684

輸入時にCIFの10%を納税しますが、これは販売時に買手から回収した付加価値税を納税するさいに控除されるので輸入コストには含まれません。
■輸入時前払法人税Rp.171

輸入時にCIFの2.5%を納税しますが、これは確定申告時に控除されるので輸入コストには含まれません。
■輸入諸経費Rp.600

輸入通関をかけて自社の倉庫に納入されるまでの乙仲費用と運送費を5円=Rp.600と仮定します。
■輸入仕入価格Rp.8,808

現地到着価格Rp.6,840に輸入税Rp.684と奢侈品税Rp.684、そして輸入諸経費Rp.600を加えたものが輸入仕入価格です。
■現地小売価格Rp.25,166=210円

仮に卸価格の利益率を30%、小売価格の利益率を50%と仮定するとRp.25,166=210円となります。

時々日本国内の小売価格に為替レートを掛けてRp.12,000と試算しているケースを見かけますが、大誤算となりますので要注意です。