ジョコウィ大統領の花道を飾るG20首脳会議

2022年11月15日と16日の二日間にわたりバリ島のヌサドゥアビーチで開催されるG20首脳会議の前日は、多くの首脳達が現地入りして二国間首脳会談を開催しているようでした。

現地のテレビニュースは専らジョコウィ大統領、アメリカのバイデン大統領、そして中国の習近平国家主席の動向を伝えており、あたかも超大国とインドネシアの首脳会議であるような印象さえ感じられました。

残る任期が2年を切ったジョコウィ大統領にとっては、世界のGDPの約8割を占める諸国の首脳会議での議長が引退の花道となるのでしょうから、自国の報道機関に対してそのように指示を出していてもおかしくはないでしょう。

また、首脳会議に前後して故郷のソロを訪れた際には、大統領職を引退した後は生態環境の保護活動に力を注ぐと表明していました。

しかし一方では間髪を入れずに、次期大統領候補を選ぶ際にジョコウィ大統領の支持の有無を考慮するかとの世論調査も行われており、半数近くが考慮すると答えていることから、老獪な政治家のことですから、案外キングメーカーとして院政を引くことも考えているのかもしれません。

いずれにしても、名目GDPでは世界17位でG20の資格があるにしても、1人当り名目GDPでは193国中119位とまだまだ後進国のレベルであるインドネシアには課題が山積していますので、浮き沈みの激しい国際政治の舞台で浮かれることなく、地道な経済成長を遂げて欲しいものです。