2023.05.24
最近のニュースに私的コメント
急展開するアラブ世界の糾合
ウクライナ戦争のニュースに隠れて日本ではさほど重要視されていませんが、イスラム教のアラブ世界を二分していたサウジアラビアとイランが、中国の仲介で国交回復することになりました。
そしてそれに続いて、トルコとシリアが外相会談を行い、国交回復に向けた動きを見せています。
先日には、イランの大統領がインドネシアを訪問して、ジョコウィ大統領と会談しました。
トランプ元大統領がサウジアラビアとイスラエルの関係改善を推し進め、イランがそれに猛反発すると言う事態もありましたが、結果として良かったのかどうかは歴史が決めることですが、バイデン政権の下で反米に傾いたスンニ派の首領であるサウジアラビアが、シーア派の首領であるイランと手を組んだのは青天の霹靂と言って良い事態でしょう。
これをトリガーとして、今後もアラブ世界の糾合に向けた様々な動きが出て来るのではないかと推測されます。
第一次世界大戦以降のヨーロッパの衰退、第二次世界大戦以降のアメリカとソ連の東西冷戦、ソ連崩壊後のアメリカの一強覇権、21世紀に入ってからの中国の大躍進による米中二極覇権争い、そして今回のアラブイスラム世界の糾合による南北のバランスの大変動。
世界は音を立てて大きく変わろうとしていますが、その中で最大のイスラム人口を抱えるインドネシアは、自分達の時代がやって来ると感じているのかもしれません。
この中で日本は霞んでしまわないよう、本来の日本を取り戻すことが急務で、その面から見たインドネシアとの関係再構築が重要です。