2023.08.30
最近のニュースに私的コメント
メッカ巡礼の割り当ては40年待ち
今年のサウジアラビアからのインドネシアに対する、メッカ巡礼の割当枠は22万人だったそうですが、地方によっては割当枠を得るのに40年待ちの場合もあると報道されていました。
確かに単純計算で、270百万人の9割がイスラム教徒で、70年間の人生で一度メッカ巡礼に行くと仮定すれば、1年間で3.5百万人になるので、年間0.2百万の枠ではとても捌き切れないのは明白です。
お金に余裕のある人達が2回以上の巡礼に行くと更に足りなくなることから、宗教省は巡礼は一生に一度にして欲しいと呼びかけています。
巡礼の割当管理は宗教省が担当していますが、中にはお金や人脈にものを言わせて優先させようとする人間もいるだろうし、調整は大変な仕事でしょうし、これがまた汚職の温床になるのではないかと懸念されます。
サウジアラビア政府に対しても、更に枠を増やしてくれるように交渉をしているようですが、自国に次いで巡礼者数が多いのがインドネシアですから、巡礼地の大混雑の様子を紹介しているビデオから判断しても、なかなか大幅に増やすことは難しいでしょう。
労働法では、6年間連続して同一企業に勤続した労働者には、少なくとも2ヶ月の長期休暇が与えられ、この取得に当たっては、7年目と8年目にそれぞれ1ヶ月づつ取得できる、とされています。
勤め人はおそらくこの制度を活用していると思われますが、1人50万円前後が必要な巡礼の希望者が急増している背景には、経済成長による可処分所得の増加があるのでしょう。
今から40年くらい前に、田畑を売り払って巡礼に行った従業員を思い出しますが、今は昔の話なのかもしれません。