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2024.01.06 最近のニュースに私的コメント

ジョコウィ大統領による貧困層支援が困った事態に

現役の大統領が自ら、貧困層に対して生活物資を配給する『社会支援BANSOS(Bantuan Sosial)』は毎年恒例の行事ですが、今年は大統領選挙に与える影響を考慮して、投票日の後にずらすべきだとの声も出ています。

もしも、ジョコウィ大統領が公務員に対して訓示したように、大統領選挙や総選挙に対して中立を堅持していれば問題はなかったはずですが、以下のような最近の行動を見る限りにおいて、中立とは考えられず、明らかにプラボウォ・ギブラン組候補を支持する姿勢を見せているため、大統領による生活物資の配給は、特定の候補に資すると懸念されています。

1.長男でソロ市長であるギブラン氏が、一族の支持政党であるインドネシア闘争民主党から離脱し、野党党首のプラボウォ候補の副大統領候補となることを黙認した。

2.次男のカエサン氏が、同じく一族の支持政党であるインドネシア闘争民主党から離脱し、プラボウォ候補を支持する野党の党首に就任することを黙認した。

3.ジョコウィ大統領自身も、一族の支持政党であるインドネシア闘争民主党から離脱し、野党であり、プラボウォ候補を支持するゴルカル党を支持することが、ゴルカル党党首が明らかにした。

もうここまで来ると、ジョコウィ大統領が中立の立場ではないことは明らかであり、ジョコウィ大統領による生活物資の配給が、誰に資するかは明らかでしょう。

老獪な政治手腕で、民主党を除く全ての政党による連立政権を構築し、国民の75%以上の支持を得て来たジョコウィ大統領ですが、任期の最後になって功を焦ったのか、息子達のことを優先し過ぎたのか、矛盾がさらなる矛盾を生み出す、スパイラルに入ってしまったようです。