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2024.04.25 最近のニュースに私的コメント

終わらない縁故主義

憲法裁判所が大統領選挙における不正疑惑提訴を、8名の判事のうち5名が前面却下、3名が選挙のやり直しの意見を述べ、最終判決は証拠不十分として却下したことを受けて、総選挙委員会は2024年から2029年の大統領・副大統領として、プラボウォ氏とギブラン氏を正式に指名しました。

今回の問題は、ジョコウィ大統領の長男であるギブラン氏が、プラボウォ氏の副大統領候補して指名されたが、憲法で定める年齢の40歳に達していないと指摘されたのが発端でした。

この問題を審議した憲法裁判所は、ギブラン氏はソロ市長としての実績があるので、特別に例外として認めるとしたのですが、この時の裁判長がジョコウィ大統領の妹婿で、ギブラン氏の叔父に当たることから、縁故主義であるとして、この裁判長は後日罷免されました。

しかし、総選挙委員会は憲法裁判所の判決を優先し、ギブラン氏の副大統領候補指名は有効であるとして、そのまま選挙活動に入り、結果として当選することになりました。

不思議なのは、選挙違反を取り締まるはずの、総選挙監視庁が全く動かなかったことです。

そして発表された、社会に貢献した地方政府首長に対する表彰者に、ソロ市長であるジョコウィ大統領の長男、ならびにメダン市長であるジョコウィ大統領の娘婿が名前を連ねています。

恥を知る日本人の感覚としては、証拠は無かったとしても、これだけ縁故主義を問題視された直後に、良くもしゃあしゃあと指名出来るものだと感心してしまいます。

選挙の結果が確定した今は、次期政権の準備に向けて国民が一致団結しなくてはならないと、ジョコウィ大統領は主張していますが、国民の分断を招いたのは、あなたの縁故主義ではないですか。

10月20日まで大統領の任期も残すところ6ヵ月、裸の王様として汚名を残さないように祈っています。