2024.07.29
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インドネシア進出サポートメルマガ2024年3月号
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インドネシア進出サポートメルマガ2024年3月号
Vol.12 【2024年3月1日発行】
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■目次
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【1】 インドネシア進出関連ニュース『新政権で対日関係は変わるのか』
【2】 インドネシア社会一般ニュース『倫理観に欠けた次期大統領・副大統領選挙活動』
【3】 インドネシアお楽しみニュース『インドネシアの魂を感じる唱歌』
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【1】新政権で対日関係は変わるのか
正式当選は3月20日の、総選挙委員会KPUの発表を待たなくてはなりませんが、現時点での77.41%の開票率では、以下のような得票率となっており、プラボウォ大統領・ギブラン副大統領が次期政権を担うのはほぼ間違いないでしょう。
プラボウォ大統領候補・ギブラン副大統領候補 58.84%
アニス大統領候補・ムハイミン副大統領候補 24.46%
ガンジャル大統領候補・マーフド副大統領候補 16.70%
最新の得票率 <https://news.detik.com/pemilu/realcount>
プラボウォ氏は、1968年から1998年の長期にわたり、軍事独裁政権を敷いたスハルト大統領の元娘婿で、陸軍の将官として自他共に認めるスハルト大統領の後継者でした。
しかし、1998年5月のジャカルタ暴動でスハルト大統領が失脚した際に、暴動を引き起こした責任を問われたことなどで、数年間はレバノンに亡命していました。
その後は、2009年の大統領選挙において、メガワティ大統領候補の副大統領候補として、二期目を目指す当時のユドヨノ大統領と選挙を闘いましたが敗れてしまいました。
2014年と2019年の大統領選挙では、現在のジョコウィ大統領と選挙を闘いましたが、いずれも僅差で敗れてしまいました。
この間、自身が党首を務める、偉大なインドネシアの運動と言う意味の、GRINDRA党(Gerakan Indonesia Raya)を結党し、政界での活動基盤を作って来ました。
第二期目のジョコウィ大統領の下では、国防大臣として、インドネシア国軍の装備の拡充に力を入れて来ました。
今回の大統領選挙の公約の柱は、ジョコウィ大統領の政策方針を踏襲することで、副大統領にジョコウィ大統領の長男であるギブラン氏を指名したことで、国民の圧倒的な支持を誇る、ジョコウィ大統領の後押しで当選したことは周知の事実です。
また、大統領が交代した後も、ジョコウィ前大統領が陰で影響力を持つことも、両氏の間では今のところは了解済なのかもしれません。
その場合は新政権になっても、対日政策の面で大きく変わることは無いと予想されますが、今回の選挙でジョコウィ大統領が袂を分かち合った、メガワティ党首の勢力が大きく後退し、筆頭与党から野党に変わることで、これまでジョコウィ大統領に対して、姑のような立場で意見する人が居なくなるため、その面での変化が一番大きいのではないかと予想されます。
メガワティ党首は知る人ぞ知る、スカルノ初代大統領の長女で、短期間ではありましたが、自身も第5代大統領を務めたことのある筋金入りの政治家で、父親の意志を継いで、社会主義を標榜していたようで、ジョコウィ政権の急速な親中政策の推進力だったのではないかと思われます。
それでは、メガワティ党首の影響力が無くなれば、次期政権は親中政策を見直すのでしょうか。
その答えは否でしょう。
インドネシアはこれからも経済成長を続け、先進国の仲間入りや、グローバルサウスの中での中核的存在となるためには、海外からの投資と技術が必須です。
もしも日本が昭和時代のように、普通に経済成長を遂げて、技術革新も維持していたならば、日本を最優先のパートナーとして頼っていたかもしれませんが、平成時代以降の日本の惨状を見て来たインドネシアは、中国に頼らざるを得ないと考えたはずです。
今後のインドネシアの対日関係を決めるのは、実はインドネシアではなく、日本なのです。
【2】倫理観に欠けた次期大統領・副大統領選挙
国民の直接投票による大統領・副大統領選挙は、初回の2004年以来、今回で5回目となりました。
投票日の2月14日の1年前くらいから、公正な選挙を掛け声として選挙活動が始まり、10月には大統領候補と副大統領候補の組合せも決まり、三陣営による選挙運動が正式に動き出しました。
その中で、最も問題視され、話題になったのは、何と言ってもプラボウォ大統領候補の副大統領候補に指名された、ジョコウィ大統領の長男であるギブラン氏のことでしょう。
大統領・副大統領の年齢規定である40歳に対して、まだ38歳のギブラン氏がその資格を問われたのは当然で、憲法裁判所に提訴されました。
しかし、憲法裁判所の裁判長は、ギブラン氏にはソロ市長としての2年間の実績があることを理由に、特例として副大統領候補としての資格を認める判決を下しました。
ところが、この裁判長が実は、ジョコウィ大統
領の妹の夫で、ギブラン氏の叔父であることが知られ、縁故主義だとして大騒ぎになり、最終的にこの裁判長は解雇されましたが、総選挙委員会は立候補を受け付けると言う不可解な結果となりました。
領の妹の夫で、ギブラン氏の叔父であることが知られ、縁故主義だとして大騒ぎになり、最終的にこの裁判長は解雇されましたが、総選挙委員会は立候補を受け付けると言う不可解な結果となりました。
そして、選挙運動が始まる時には、公務員、警察、軍隊は選挙において中立であるべきだと訓示を垂れていたジョコウィ大統領が、年明けには公然と長男が副大統領候補であるプラボウォ大統領候補支持を表明し、それまで自身の支持基盤であった対立候補を支援する筆頭与党から離脱する動きを見せ始めました。
その結果、国民に間で圧倒的な支持を誇る、ジョコウィ大統領の支援を得たプラボウォ・ギブラン組は、投票日直前には50%を超える支持率を獲得する勢いを見せました。
これら一連の動きに対し、大学の教職員団体や学生組織からは、ジョコウィ大統領の言動は、インドネシアの民主主義を破壊する縁故主義だとの強い批判が出されました。
しかし、選挙結果がほぼ決まったように見える現時点では、そのような批判もどこかに消え去り、話題は次期連立政権の構築に向けた政党間の駆け引きに移っています。
調査によると、今回投票した国民の24%は選挙での賄賂を受け取ったとされ、そのほとんどはジョコウィ大統領の名前での、プラボウォ候補を支援するものと承知していたとも報告されています。
選挙が終わり、プラボウォ氏が次期大統領としてほぼ当選確実となった後、ジョコウィ大統領による院政工作が早速にも具体化しつつあります。
1998年5月のジャカルタ暴動の責任を問われ、国軍を免職されたプラボウォ次期大統領に対し、ジョコウィ大統領は名誉将軍の称号を授与しました。
また、プラボウォ次期大統領の選挙公約である、学校の給食無償化については、現政権として早速取り組むとして閣僚に指令を出しました。
10年前に民主主義のシンボルと囃し立てられたジョコウィ大統領ですが、今回の選挙を通じては、縁故主義と保身主義のシンボルに成り下がってしまった感がします。
【3】インドネシアの魂を感じる唱歌
大統領・副大統領選挙では、嫌な報道がたくさんありましたが、インドネシアの独立の魂と民族の美しい心を歌った、代表的な唱歌と映像で気持ちを入れ替えられれば幸いです。
インドネシア国家Indonesia Raya <https://www.youtube.com/watch?v=DB9KAV1gGpk>
建国五原則を称える唄 Garuda Pancasila <https://www.youtube.com/watch?v=JTZhCGbsCSI>
我が祖国 Tanah Airku <https://www.youtube.com/watch?v=YXsfN6JspJw>
悠久のインドネシア Indonesia Pusaka <https://www.youtube.com/watch?v=KT-SDT0YB6I>
以上