2024.08.13
最近のニュースに私的コメント
プラボウォ次期大統領の政治手腕
プラボウォ次期政権下の国会で、最大議席を有するゴルカル党のアイルランガ党首が、突然辞任しました。
真相は判りませんが、KIM:Koalisi Indonesia Maju(進歩するインドネシア連合)と言う名の、大連立政権を目指すプラボウォ次期大統領と、意見の対立があったのかもしれません。
アイルランガ氏の盟友で、党が推薦する次期ジャカルタ州副知事候補の実業家も、時を同じくして離党届を出し、その際の記者会見では、盟友の気持ちに同調しての決断であると明言していたことから、アイルランガ党首の辞任は、決して本意ではなかったと推測されます。
先の大統領選挙の期間中、プラボウォ次期大統領が党首を務めるグリンドラ党の党員でもないのに、太鼓持ちの様にプラボウォ次期大統領候補に付き纏っていた、バフリル投資大臣がアイルランガ党首の後任と噂され、異常にはしゃいでいることから、なるほどと頷いてしまいます。
インドネシアの建国五原則である、ガルーダ・パンチャシラの第4番目には、合議制と代議制における英知に導かれた民主主義、と謳われています。
また、ジャワの伝統として、多数決による決議ではなく、全員一致の意見を得るまで話し合う意味の、ムシャワラ・ムファカットがあります。
プラボウォ次期大統領は、これらのことを背景に、全政党による大連立政権の下、義父のスハルト大統領のような独裁政権の再現を目指しているのかもしれません。
そのためには、自分とは意見の異なる大物が居たのでは面倒で困るでしょう。
そうすると次の狙いは、反ジョコウィを旗印に野党を宣言し、国会で最大議席を有する、インドネシア闘争民主党の篭絡で、最後は院政を敷こうとしているジョコウィ大統領でしょう。
大統領選挙から始まった、今回の一連の選挙を通じての話は、ラーマヤーナ物語よりも面白いかもしれません。
いつか映画化されることを願っています。