観光資源か鉱物資源か

インドネシア東部にある観光地Raja Ampat（ラジャ・アンパット：4人の王様）は、青く透き通った海に、緑の樹木に覆われた多くの島々が広がる、世界有数のダイビングスポットとして有名で、インドネシアの観光誘致ビデオには必ず登場するスポットです。

その島々がニッケルの採掘で樹木が切り倒され、赤土が剝き出しになりつつあるとして、採掘反対運動が活発になっているようです。

観光資源と鉱物資源のどちらを優先するのか、インドネシア政府の方針が問われる問題でしょう。

国家歳入の面から考えると、電気自動車のリチウムイオン電池の原料となるニッケル採掘の方が遥かに魅力的でしょう。

しかし、鉱物採掘事業は地元住民に対する還元が少なく、ほとんどは中央政府と一部の利権者にお金が流れるため、アチェやパプアのように反政府武装組織による武力闘争を招く危険性もあります。

インドネシア政府には、後世に禍根を残すことのない決断を下してくれることを切に願っています。