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2011.07.21 インドネシアでの仕事のアドバイス

業務分野別の経験的アドバイス小話【生産技術編】

以下の小話は、作者が1981年から1995年の間、ジャカルタにあるヤマハの楽器工場で、生産課長そして工場長として駐在していた当時の経験や実例を基に、会社の業務または部門別に、日本人駐在員にとって役立つと思われることを書き出したものです。中には昔話になってしまった事例もあるかもしれませんが、インドネシアの良い面、悪い面を感じとってもらい、現地で仕事をする際のアドバイスになれば幸いです。

【最新の技術と設備は社長の道楽?】
樹脂成型の仕事を依頼していたある会社の社長から、最新の機械を輸入したので是非見てくれとの誘いを受けました。ドイツ製の機械だったと記憶していますが、工場の中の仕切られた部屋の中にぽつねんと置かれていました。コンピュータ制御とのことで、社長は一生懸命プログラムを入力してから実際に何かの見本を加工して見せてくれました。その社長の話によれば、最新の機械をいじるのが大好きで、衝動買いをしてしまったので何か仕事はないかと探しているとのことでした。仮に仕事があても、誰がこの機械を操作するのかと聞いたところ、他の人には触らせないと言い張る始末でした。人の育成よりも最新の機械に金をかける、そんな社長が多くいました。

【乏しい環境での創意工夫】
ある試作品を作る時に、内側から真円面に圧力を加える装置が欲しくなりました。日本人はすぐに何とかプレスを手配しようとするのですが、インドネシアのスタッフは港に行って、そこで売られている魚網に付けるゴム製の筒状のフロートを買って来ました。それを膨らませると立派なプレスになったという訳です。道端のオートバイ修理工房などを覗いて見ると、様々な創意工夫された工具や冶具が転がっていることに気が付きます。日本でも今みたいに物がなかった(?)江戸時代には、このように創意工夫に秀でた職人達が多くいたのだろうと感慨にひたったものでした。でも日本のものづくりの原点は、江戸時代にあるのではないでしょうか。

インドネシアビジネスサポート