2013.02.28
出島『海外ビジネスコラム』原稿
インドネシアで仕事をする時の小話的アドバイス 【赤字でも黒字報告】
僅かでも黒字で税金を支払っている時は大丈夫でしたが、赤字だから税金は払えません、前払い法人税を還付して下さいと税務署に報告したばかりに、酷く痛い目に遭いました。税務署に対して赤字報告を提出すると面倒なことになると、会計士からは事前に忠告されていたのですが、日本人の潔癖性がそれを許すことが出来なかったのです。
本当に赤字か?日本に利益が移転されるように操作をしているのではないか?そのような理由で税務調査が入ると大変でした。とにかく帳票やデータを全部持って行ってしまうので、業務上大変な支障が生じるのです。
日本人の経営で、世界的なブランドを持つ会社が赤字になるはずがない、と言うのが彼らの信念でしたから、何を言っても信じてもらえず、抵抗するほどに課税額が上がる始末でした。頼りになるのは税理士や会計士とばかりに縋ったのですが、税務署のスタッフはなかなかの強敵で、出口がなかなか見えない日々が続きました。
具体的な解決方法は色々と問題があるため詳しくは言えませんが、有力な政治家の仲介を得て、なんとか最少の納税額で済ませることが出来ました。しかし、その数ヵ月間は毎日悶々としながら本業にも集中出来ず、目に見えない損害も大きかったと思います。
一方で、裁判所に訴えて堂々と戦っている日系企業もあります。しかし、成り行きや日本人的感覚で税務署と渡り合うことだけは絶対に止めましょう。
因みに昨年度のインドネシアの納税者は2,400万人いるそうですが、実際に支払ったのはその半分以下の1,000万人しかいなかったそうです。税務署も必死になるわけです。