インドネシアで仕事をする時の小話的アドバイス 【知名度は両刃の剣】
毎日のように寄付要請や売り込みの類がやって来ました。中には外国企業はこれに弱いだろうと侮って、イスラム教に名を借りて来る悪徳なケースもありました。世界的に名の知れた大企業は致し方の無いことですが、現地企業などはこれを嫌って会社の看板さえ掲げていないところもありました。
困ったのは、このような会社を初めて訪問した時に、近くまでは辿り着けても、入口がどこにあるのかさっぱり判らないことでした。隠れ家のような入口を入ると、広大な敷地に大きな工場建屋があり、そこは外からは想像出来ない別世界でした。彼らの生き方をどうのこうのと言う立場にはありませんが、これじゃあ世間の目に触れたら寄付要請、売り込みが殺到するだろうなと実感した次第です。
中には四駆のジープかオフロードバイクでしか進めない道路を通らないと行けないような所に工場を新設した例もありました。実際、そこの社長は普段はベンツに乗っているのですが、その工場に行く時は自分でジープを運転し、私も途中で自分の車を置いて、そのジープに乗せてもらったものでした。
また、こんなこともありました。ある商品の現地化比率を上げなくてはいけないとのことで、現地でのサプライヤーを探して訪問した時のことです。そこの社長は正にその商品の愛好家であったことから、安易に現地化を進めて品質を損ねてもらっては困ると、サプライヤーではなく、パワーユーザーの立場からのお説教をもらってしまいました。もちろん、現地化にも協力してもらえませんでした。
さすがに最近は無くなったと思いますが、空港の出入国管理を通る際には必ず苛められました。パスポートにサインをする代わりに、後で自宅に商品を届けろと迫られるのです。半分冗談にしても毎回言われるのは本当に嫌でした。
しかし、私の場合は知名度が高いことでのメリットは、デメリットを遥かに凌いでいたのであまり文句を言えないのも事実です。