2013.03.01
出島『海外ビジネスコラム』原稿
インドネシアで仕事をする時の小話的アドバイス 【領収書の無い支払】
インドネシアに出張した際に気が付くと思いますが、ホテルのボーイやハウスキーピングに対するチップ、レンタカーの運転手に対するチップなど、料金の一部である欧米のチップとは少し違った雰囲気の心遣いが習慣になっています。
これはホテルやレンタカーといったサービス業に限った話ではなく、特にお役所での便宜を受けた時に自然的(?)に発生するようです。但し、その時になると同行した現地のスタッフの目配せに従って席を外すようにお願いされていましたので、私はその現場を目撃したことはありません。しかし、日本からのVIPを名所案内する時など、ガイドにお礼をする時のために、インドネシア式の心付けの渡し方は習っていました。
心付け程度であればと思っていても頻度が高いと年間の総額も馬鹿に出来ません。もちろん経営に影響するような額ではありませんが、領収書なるものはありませんから、本社からの会計監査を受ける時に、毎回のようにその信憑性を聞かれ、使った人間を信用するしかないと答える以外ありませんでした。
土地とか大きな買い物をする際には政府高官が介入して来て、30%安くなるようにするから後で10%をよこせ、みたいな話が来ないとも限りません。最近は政府の独立機関である汚職撲滅委員会KPKがこのような汚職に目を光らせており、ここに通報されるケースも非常に多いので、絶対に手を染めてはいけません。
インドネシアはSNSの一つTwitterの普及率が世界で一番高いと言われています。汚職の場面では、壁に耳あり障子に目ありで、その情報はTwitterであっという間に広がると考えた方が良いでしょう。