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2013.03.04 出島『海外ビジネスコラム』原稿

インドネシアで仕事をする時の小話的アドバイス 【全てはアラーの思し召しのまま】

 イスラム教徒は1日5回のお祈りの際に、自分の犯した過ちをアラーに懺悔をするそうです。そして年1回の断食などの五つの戒律を実践することでアラーからの許しを得るそうです。

 職場で不正を働いたことが発覚し、解雇になった元従業員が事務所に遊びに来て、元同僚達と抱き合って再会を喜んでいる風景を何回か目撃しました。『過去の過ちに対する負い目はないのか?』と後から聞いてみたところ、元同僚の回答は『既にアラーに許されているからお互いに気にしない』と言う趣旨のものでした。それ以上踏み込んではいけないと思いそこで会話は終わりにしました。

 インシャ・アラーと言う表現は、イスラム教徒でない日本人でも、どこかで耳にしたことがあると思います。これは『全てはアラーの思し召しのまま』という意味ですが、イスラム教徒のインドネシア人同士の会話をそばで聞いていると、頻繁に口にしていることに気が付きます。

 朝4時に始まる1日5回の礼拝の時間には、1Km範囲内には必ずあると言われる近所の礼拝堂から、アラーは偉大なりと言う、アラー・アクバルの朗誦が響き渡って来ます。そして毎週金曜日の正午には、最寄りの大きな礼拝堂で多くの教徒たちが一緒にお祈りを行い、導師によるコーランの教えに心を傾けます。メッカ巡礼はお金がかかりますから行ける人は限られますが、1日5回のお祈りは、国民の90%を占めるイスラム教徒が7歳のころから行っていることです。

 インドネシアはイスラム教を国教にしている訳ではありませんが、唯一神への信仰は国民の義務とされています。その証拠に、あらゆる法律の冒頭には『唯一神の御加護により』という修辞が付きます。そして全国民2億4千万人の90%にとっての唯一神はアラーです。

 インドネシア現地法人の責任者となる日本人の皆様には、インドネシアの会社法、投資法、労働法、税法についての基本知識に加え、是非コーランの日本語訳(厳密にはアラビア語以外で書かれたものをコーランと言ってはいけないのですが)も一読されることをお薦めします。

インドネシアビジネスサポート