2020.10.05
思い出深きインドネシアの人達との付き合い
ギター工房を営む元ボクサー
35年くらい前に、インドネシアでギターを作れないか調査を始めました。
日本からのギター製作の専門家に同行してもらい、インドネシア国内にあるギターの製造会社をいくつか訪問して、外注生産の形から始めることを検討しました。
候補先から選ばれたのは、バンドンにある従業員が数名のギター工房でした。
ここの社長は精悍な顔立ちで立派な体格をした元アマチュアボクサーで、ヨーロッパから取り寄せたというギター作りの本を参考にして、自分で工夫しながら手作りのギターを製造しては、オンボロトラックに積んでジャカルタの楽器店に卸していました。
ここのブランドはインドネシア国内では評判が良く、日本からの専門家も高く評価していました。
その後何年間はここに対して技術指導をしながら委託生産をしていたのですが、訪問した時はいつもエプロン姿で鼻歌を歌いながら楽しそうに作業している姿を今でも忘れません。
敬虔なイスラム教徒で、人生を悠々と楽しんでいる人物でした。