インドネシア進出サポートメルマガ2025年5月号
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インドネシア進出サポートメルマガ2025年5月号
Vol.26 【2025年5月1日発行】
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関係各位
このメルマガはこれまでにインドネシア関連の仕事でお世話になった方々に、最新のインドネシア事情を気軽にご理解頂ける内容で毎月1日に配信しております。
=======お知らせ======
■インドネシア進出サポート公式サイト
https://www.hmkt.jp/
インドネシア進出準備から撤退までの、50年近くにわたる経験と知見を網羅したサイトで、一日平均1,200件以上の閲覧数と250人を超える訪問者数で、2022年の開設以来の訪問者数は累計10万人、閲覧数は累計60万件に達し、Googleのトップランキングを維持しております。
その中でもお薦めしたいのが、インドネシア進出支援セミナースライドで、公開件数は210件に達し、更に毎週1件のペースで増え続けています。
セミナースライドを始めとして、全てのコンテンツはフリーダウンロードで提供しています。
■インドネシア最新情報ブログ
http://blog.livedoor.jp/kojindonesia/
インドネシアのホットな現地発の情報を毎日、どんなメディアよりも早く紹介しています。
■インドネシア進出サポートウエブセミナー
https://www.youtube.com/channel/UCXghuRz7zRX5jLOXu75rQjQ
公式サイトに掲載されたセミナースライドサンプルに音声解説を付けてYoutubeにアップロードしています。
2023年3月の公開以来、視聴者数が5,000人を超えました。
■配信を希望されない場合は『配信不要』と返信して下さい。
■目次 ★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
【1】 インドネシア進出関連ニュース『貴社の事業分野は何ですか?』
【2】 インドネシア社会一般ニュース『トランプ革命とインドネシア』
【3】 インドネシアお楽しみニュース『ジャワの風景を抜けて走るインドネシア国鉄』
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【1】貴社の事業分野は何ですか?
インドネシアで現地法人を設立する際には公証人により会社定款ならびに会社設立証書を作ってもらい、それを人権法務大臣に承認してもらうことで会社が登記されます。
この際、ほとんどの日本人関係者は関心を払わないようですが、会社定款の中にこの外国資本法人が操業を認められる事業分野が明記されています。
その事業分野はKalsifikasi Baku Lapangan Usaha Indonesiaの略語でKBLIと称される、インドネシア事業分野標準分類<https://www.hmkt.jp/92_kbli.pdf>から選択されます。
最新のKBLIは以下の様に構成になっており、上2桁で産業分野が大分類されています。
A) 01-03農業、林業および漁業
B) 05-09鉱業および採掘
C) 10-33製造業
D) 35-35電気、ガス、蒸気/熱湯および冷気供給
E) 36-39水処理、汚水処理、廃材処理と再利用および再処理
F) 41-43建設
G) 45-47大規模商業および小売;自動車およびオートバイの修理と保全
H) 49-53運送および倉庫
I) 55-56宿泊提供および飲食提供
J) 58-63情報および通信
K) 64-66金融および保険活動
L) 68-68不動産
M) 69-75専門、科学および技術活動
N) 77-82選択権無しの事業利用貸与、労働、旅行代理店およびその他事業支援活動
O) 84-84行政、国防および社会保障義務
P) 85-85教育
Q) 86-88人間の健康活動および社会活動
R) 90-93芸術、娯楽およびリクリエーション
S) 94-96その他サービス活動
T) 97-98家庭での内職活動;私用目的での製品やサービスの創作活動
U) 99-99国際機関およびその他特別国際機関の活動
また、日本企業が主に関係する、C) 10-33製造業は以下のように上2桁で中分類されています。
10食品産業
11飲料産業
12煙草産業
13繊維産業
14衣料産業
15皮、皮革製品および靴産業
16木材産業
17製紙産業
18印刷産業
19石炭・石油産業
20化学材料・製品産業
21薬品産業
22ゴム・樹脂産業
23硝子産業
24金属産業
25非機械・器具金属産業
26コンピューター・電子光学製品
27電気、ガス、蒸気/熱湯および冷気供給
28機械および機器産業
29自動車、トレーラーおよびセミトレーラー
30その他輸送機器産業
31家具産業
32その他加工産業
33機械機器の修理および設置
全ての分類は5桁で細分化されており、会社定款に明記される事業分野は、上3桁の分類から選択されます。
現在のインドネシア外国投資法では、最低投資額はRp.100億(約1億円)と規定されていますが、この意味はRp.100億で上3桁の分類から1事業を選択出来ると言うことです。
このことは、仮にRp.1,000億を投資すれば、上3桁の分類から最大10事業を選択出来ることを意味しています。
因みに内国投資会社に対してはこの法律は適用されないため、会社で定める最低投資額Rp.50百万で、全ての事業分野において自由に操業することが出来ます。
国内産業保護を背景としたこの不公平さは、なかなか是正されそうにありません。
【2】トランプ革命とインドネシア
2025年4月2日にアメリカ合衆国のトランプ大統領はトランプ革命と呼ばれる政策の一環として、世界中の多くの国からの輸入に対する関税の見直しを発表しました。
その中で、インドネシアはアメリカからの輸出品に対して64%の関税を課しているとされ、アメリカ側は32%の輸入関税を課するとしました。
発表の直後から90日間は新関税の実施を停止するとして、各国との二国間交渉を進めていますが、インドネシア政府も早急に交渉団をワシントンに派遣しました。
トランプ大統領は若い頃からMake America Great Agin(アメリカを再び偉大な国に)を信念として唱えて来ており、特に東西冷戦終結後の中国の台頭によるアメリカの経済面や軍事面での衰退に対する憤懣が表れています。
そのため、トランプ革命の施策は中国を狙ったものが多いのでしょうが、インドネシアも以下の様にそれらの政策の影響から逃れることは難しいと思われます。
1.中国と経済協力する国へ圧力を掛ける⇒中国からインドネシアへの投資が制限される
2.BRICSとの関係を強化拡大する⇒インドネシアとの関係を拡大する
3.中国包囲網のブロック経済を作る⇒インドネシアとの貿易が増える
4.アメリカへの輸出企業が中国から逃げ出す⇒その一部はインドネシアに移転する
5.輸入国の非関税障壁を撤廃させる⇒インドネシアの付加価値税廃止を迫る
6.EV推進を廃止する⇒インドネシアのEVがアメリカで売れなくなる
残念ながら日本国内の主要メディアは、親中国、反ロシア、反トランプで凝り固まっているため、なかなか真実を知る機会が少ないのですが、世界の大きな変化の中で事業展開の進む方向を間違えないようにしたいものです。
【3】ジャワの風景を抜けて走るインドネシア国鉄
インドネシアの地方都市へ出張する際に、インドネシア国鉄の列車を使うことがあります。
都市間列車には普通席と特等席がありますが、私はいつも”Accss by KAI”と言うスマホのアプリで特等席を予約して乗車しています。
このアプリを使うと、乗車の45日前から大きな荷物を置けるスペースのある席が予約が出来て、支払いはクレジットカードで済ませられます。
特等席と言っても座席そのものは普通席と大して変わらず、スピードを上げると左右の揺れが激しくなり、線路に敷き詰めた石が飛び跳ねて床下に激突する音が何とも刺激的です。
食事時になるとナシゴレンとミーゴレンの車内販売が始まります。
市街地を抜けると、車窓には田園風景が広がり、水田では集落の人達が共同で田植えや稲刈りをしており、特に田んぼの中で脱穀をしている様子は、日本では長い事見られなくなった風景です。
途中の駅舎は、大都市に近いところは順次、近代的なものに建て替えられていますが、田舎の方はオランダ時代のまま残っており、これも旅の情緒を感じさせてくれます。
飛行機からは絶対に見られない景色が楽しめる、列車の旅もなかなか良いものです。
以上
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小野耕司/インドネシアビジネスサポート
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