インドネシア進出サポートメルマガ2025年9月号
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インドネシア進出サポートメルマガ2025年9月号
Vol.30 【2025年9月1日発行】
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関係各位
このメルマガはこれまでにインドネシア関連の仕事でお世話になった方々に、最新のインドネシア事情を気軽にご理解頂ける内容で毎月1日に配信しております。
=======お知らせ======
■インドネシア入国時の検疫報告と税関申告は”All Indonesia”で
これまで別々のスマホアプリで申請していた検疫報告し税関申告が、9月から”All Indonesia”と言うウエブシステムに統合されるそうです。
見たところ日本入国の際の”Visit Japan”と似たような感じで、スマホ用のアプリも提供されています。
詳しくは下記の在インドネシア日本大使館の関連サイトをご参照下さい。
https://www.id.emb-japan.go.jp/itpr_ja/oshirase25_44.html
■YouTubeウエブセミナーにインドネシア語コンテンツ追加
インドネシア現地法人のインドネシア人社員教育用として、以下の様なインドネシア語によるYouTubeウエブセミナーを公開しております。
これからも新しいコンテンツを追加して参りますので是非ご利用下さい。
1.インドネシア工場現場改善の秘訣
2.サプライチェーンの改善
3.インドネシア工場小集団活動導入の秘訣
4.インドネシア工場での危険予知活動導入の秘訣
5.インドネシア人社員に会社の仕組みを理解させる
■インドネシア進出サポート公式サイト
https://www.hmkt.jp/
インドネシア進出準備から撤退までの、50年近くにわたる経験と知見を網羅したサイトで、一日平均2,000件以上の閲覧数と300人を超える訪問者数で、2022年の開設以来の訪問者数は累計13万人、閲覧数は累計83万件に達し、Googleのトップランキングを維持しております。
その中でもお薦めしたいのが、インドネシア進出支援セミナースライドで、公開件数は234件に達し、更に毎週1件のペースで増え続けています。
セミナースライドを始めとして、全てのコンテンツはフリーダウンロードで提供しています。
■インドネシア最新情報ブログ
http://blog.livedoor.jp/kojindonesia/
インドネシアのホットな現地発の情報を毎日、どんなメディアよりも早く紹介しています。
■インドネシア進出サポートウエブセミナー
https://www.youtube.com/channel/UCXghuRz7zRX5jLOXu75rQjQ
公式サイトに掲載されたセミナースライドサンプルに音声解説を付けてYoutubeにアップロードしています。
2023年3月の公開以来、視聴者数が6,000人を超えました。
新たに現地で仕事をする日本人のための、私自身が話す【インドネシア語初級・中級編(日常会話)】【インドネシア語上級編(業務会話)】を公開しております。
■配信を希望されない場合は『配信不要』と返信して下さい。
■今月号の目次 ★☆★☆★☆★☆★
【1】 インドネシア進出関連ニュース『政府系ファンドに挑戦するプラボウォ大統領』
【2】 インドネシア社会一般ニュース『プラボウォ大統領の独立記念国政演説』
【3】 インドネシアお楽しみニュース『G30Sの背景にある陰謀論』
【4】 臨時ニュース『国会議員給与・手当引き上げに抗議する暴動』はYoutubeのインドネシア週刊ニュースダイジェスト2025年9月1日号をご覧ください。
https://www.youtube.com/channel/UCXghuRz7zRX5jLOXu75rQjQ
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【1】政府系ファンドに挑戦するプラボウォ大統領
プラボウォ大統領はインドネシア政府によるファンド運営会社【PT Danantara Asset Management】を発足させました。
日本政府は国家財政を国民からの税金で運営することを主としているため、日本人にはあまり馴染みのない金融システムですが、シンガポール政府が成功している先行事例として有名で、シンガポール航空などの超優良企業に対する投資配当で国家財政を運営しているため、国民の税金や社会保険の負担は少なく、年金も潤沢に支払われるため、シンガポール国民は一生のうちに家を2軒持てると言われています。
アラブ首長国連邦の中でもドバイは良質の石油が採れないことから、早い時期から政府系ファンドによる国家運営に方針を切り換え、無税特区に誘致した世界中の超優良企業からの投資配当で、税金、保険、教育費、医療費は無料となっています。
アメリカのトランプ大統領も、他国で出来ることがアメリカに出来ないはずは無いとして、政府系ファンドの運営を公約に入れております。
国際情勢に詳しいインドネシアのプラボウォ大統領は、これらの成功事例を研究して来たことは疑いの余地も無く、海外からの直接投資と国内の華僑資本を活用して、政府系ファンドによる国家財政の強化を図るのでしょう。
【2】プラボウォ大統領の独立記念国政演説
2025年8月15日、プラボウォ大統領による、独立記念国政演説がジャカルタ市内の国民協議会議事堂で行われました。
例年この演説ではどこかの民族衣装を身に纏い登壇するのが慣習でしたが、プラボウォ大統領は普通のスーツ姿で登壇しました。
マイクに問題があり、雑音が入るのは少しガッカリしましたが、プラボウォ大統領の堂々とした、国民に語り掛ける力強い演説は、国家のリーダーたる模範のようなものでした。
演説の中から特に強調された内容は以下の通りでしたが、一貫して汚職の撲滅を訴えていた感じでした。
1.国民の汗と血の結果である国富や資源が適切に活用されるように、政府機関や大資本による不正は排除しなくてはいけない。
2.毎年5%以上の経済成長を7年以上達成して来たが、未だに多くの国民が貧困に窮している社会は正さなくてはいけない。
3.学校給食の無償化と農業・漁業に対する補助金は国家の将来に対する投資である。
4.国民の富を守るのが最重要な使命であり、国民に害を為す者は決して許されない。
5.貧困層の子弟にも高等教育の機会が与えられるべく、無償の国民学校を増やしていく。
【3】G30Sの背景にある陰謀論
毎年9月30日が近くなると、インドネシア政府は国民に対して反共産主義映画【G30S PKI】の視聴を呼び掛けます。
G30S PKIはGerakan 30 September Partai Komunism Indonesiaの略語で、インドネシア共産党による9月30日事変のことを意味しています。
1965年9月30日の深夜、当時のインドネシア共産党軍が、反共産主義の国軍将官7名を拉致して殺害し、政権乗っ取りのクーデターを起こしました。
このクーデターは当時の陸軍将官であったスハルト氏の指揮の下、数日で鎮圧され、共産党とその軍隊は解体され、その後の数十年間に及ぶ共産主義者狩りでは、50万人とも言われる殺戮の悲惨な歴史を刻むことになります。
この事件で初代大統領のスカルノ氏は幽閉され、3年後の1968年にスハルト氏が大統領となり、30年間の軍事独裁長期政権を維持することになります。
ここまではほぼ歴史の事実と思われますが、この時代の世界情勢に目を遣ると少し違った風景が見えて来ます。
1965年当時はアメリカとソ連による東西冷戦の真っ最中で、中国では文化大革命が始まり、インドシナでは共産主義の勢いが急速に広がっていました。
シンガポールはリークアンユーの天才的な政治力による、イギリスからの独立が実現しました。
そのようなアジアの中で、インドネシアも共産主義政権となり、ソ連側に付くとしたら、西側のリーダーであるアメリカとしては指をくわえて見ている訳にはいかなかったでしょう。
そこで登場するのはCIAで、インドネシア共産党によるクーデターを企てさせ、片方でスハルト少将には鎮圧の準備をさせて、一挙に共産勢力を潰す作戦を立てたのかもしれません。
4時間に及ぶ大作である映画【G30S PKI】は、CIAによる陰謀については触れていませんが、そんなことを想像しながら視聴すると、また違ったものに見えるのではないでしょうか。
以上
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小野耕司/インドネシアビジネスサポート
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