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2013.03.15 業種別投資環境

3. 海洋・漁業分野

 本書はインドネシア共和国大統領令2010年36号、投資において閉鎖されている事業分野、及び条件付きで開放されている事業分野リストに沿って、それらの投資条件を解説すると共に、各事業分野の技術開発、サプライチェーン、マーケットなどについて、現地駐在当時の経験、その後の現地調査、現地政府機関および業界団体組織からの情報、テレビなどのメディア情報そしてインターネット上の情報を基にまとめたものです。

 尚、投資において閉鎖されている事業分野、及び条件付きで開放されている事業分野についての解説は簡略的にまとめてありますので、詳細は日本語版オリジナルリストにて確認することをお薦めします。

 基になっている大統領令2010年36号は、投資環境の向上や競争力の強化を目的として、2013年第3四半期をめどに改定される予定ですが、変更の程度に合わせて本書を改定することも考えられます。

3-1. 投資が閉鎖されている事業分野

該当する分野はありません。

3-2. 投資が条件付きで開放されている事業分野

12海里までの水域における30GT以下の漁捕船を用いた捕獲漁業、開放水域における魚捕獲と統合的に実施される水産物の加工業
解説:中小・零細企業、協同組合のため留保される分野で、インドネシア組合・中小企業省の定義によると、小規模・零細企業とは、土地・建物を除いた資産が2億ルピア以下で年商が10億ルピア以下、中規模企業とは、土地・建物を除いた資産が2億超から100億ルピアまでとなります。

養殖、稚魚の生産、水産物の加工、流通、販売
解説:インドネシア人またはインドネシア法人とのパートナーシップ(合弁に限らない)が義務付けられます。

インドネシア排他的経済水域の捕獲地域における、100GT以上の漁獲船による捕獲漁業
解説:魚の捕獲事業に関する海洋漁業大臣令に基づき条件が規定されます。

沖合の捕獲地域における100GT以上の漁船を用いた捕獲漁業、12海里超の水域における30GT超の漁船を用いた捕獲漁業
解説:内資100%企業に限定されます。

3-3. 技術開発

インドネシア海洋漁業省の中には以下のような研究センターが設けられています。

 1.捕獲漁業研究センター
 2.養殖漁業研究センター
 3.海洋技術研究センター
 4.海域および非生物資源研究センター
 5.海洋漁業製品加工および社会経済研究センター
 6.海洋漁業製品加工およびバイオ技術大ホール
 7.海洋漁業社会経済研究大ホール

上記の研究センターが取り組んでいるテーマは以下の通りです。

 1.海洋資源のエコシステムおよび多様性の理解の向上
 2.海洋漁業技術のとりまとめ
 3.海洋開発方針実践の推薦および分析の準備

3-4. サプライチェーン

2011年の漁業生産高は約136億ドル/13.6百万トンで、内訳は漁獲量が約70億ドル/5.7百万トン、養殖量が約66億ドル/7.9百万トンです。同時期の日本の漁業生産高は約4百万トンです。

2011年の輸出総額は約35億ドルで、海老が約13億ドル/16万トン、マグロが約5億ドル/14万トンです。

海老の輸出先はアメリカ向けの7万トンおよび日本向けの4万トンで全体の7割を占めています。魚では中国向けの24万トン、タイ向けの16万トン、アメリカ向けの13万トン、日本向けの12万トンで、全体の6割弱を占めています。

2011年の地域別生産高では、東ジャワ州の1.7億ドル、スマトラ島ランプ州ンの1億ドル、南スラウェシ州の0.9億ドル、西ジャワ州の0.8億ドルが上位を占めています。

2011年の漁獲高の中で上位を占めるのは、アジの40万トン、カツオの37万トン、小サバの29万トン、イワシの25万トン、アンチョビの20万トン、そしてイカの14万トンとなっています。

外洋で操業している地元の漁業会社は全国に30万社以上あり、南スマトラ州、西ジャワ州、中部ジャワ州、東ジャワ州、南カリマンタン州、東カリマンタン州、中部カリマンタン州に多く集まっています。

また、海洋漁業に関わる協会や連合も多く、インドネシア全土に55の組織があります。

日系企業では日本水産、東邦水産が冷凍海老の輸出を行っています。

3-5. マーケット

2007年から2011年にかけての輸出の推移は、海老が量的には増減がないものの、金額が1.3倍に、マグロは量的に2割増加に対して金額は7割増加、海藻が量的に2倍であったのに対して金額が3倍弱となっています。

2007年から2011年にかけて海老、魚そして海藻共に輸出が急増しているのは中国向けで、海老が1.4千トンから5.9千トンに、魚が59千トンから242千トンに、海藻が23千トンから101千トンにそれぞれ増えています。

3-6. 主要な情報源

インドネシア海洋漁業省

インドネシアビジネスサポート