16. 保健分野
本書はインドネシア共和国大統領令2010年36号、投資において閉鎖されている事業分野、及び条件付きで開放されている事業分野リストに沿って、それらの投資条件を解説すると共に、各事業分野の技術開発、サプライチェーン、マーケットなどについて、現地駐在当時の経験、その後の現地調査、現地政府機関および業界団体組織からの情報、テレビなどのメディア情報そしてインターネット上の情報を基にまとめたものです。
尚、投資において閉鎖されている事業分野、及び条件付きで開放されている事業分野についての解説は簡略的にまとめてありますので、詳細は日本語版オリジナルリストにて確認することをお薦めします。
基になっている大統領令2010年36号は、投資環境の向上や競争力の強化を目的として、2013年第3四半期をめどに改定される予定ですが、変更の程度に合わせて本書を改定することも考えられます。
16-1. 投資が閉鎖されている事業分野
該当する分野はありません。
16-2. 投資が条件付きで開放されている事業分野
医薬品産業
解説:外資は最大75%までに制限されます。
病院経営コンサルティングサービス、保健サポートサービス、専門医/副専門病院サービス、精神的リハビリテーションクリニック、専門医の医療クリニック、歯科クリニック、臨床検査クリニック、健康診断クリニック
解説:外資は最大67%までに制限されます。保健サポートサービスには、検診センター、薬品倉庫、薬品・食品監視センター、臓器バンク、臓器搬送などが含まれます。
較正試験、保健機器メンテナンス・修理サービス、医療機器レンタル、鍼治療サービスなど、看護サービス
解説:外資は最大49%までに制限されます。但し、看護サービスはメダンとスラバヤに限り最大51%までに制限されます。
薬剤製造業(医薬品産業)、医薬品の卸売業者
解説:保健大臣の特別許可が必要とされます。薬剤製造業(医薬品産業)は上記の医薬品産業と同じ分類ですが、具体的な違いについては未確認です。
伝統薬産業、薬品および原料の卸から販売、民営の産科病院、総合病院/公営の医療クリニック、基礎保健サービス施設、医療従事者の個人診療、保健サポートサービス
解説:内資100%企業に限定されます。外資が最大67%までに制限される保健サポートサービスとの具体的な違いは未確認です。
16-3. 技術開発
該当項目なし。
16-4. サプライチェーン
インドネシアでは生活用水や飲料水の確保が重要な課題になっていますが、それぞれの供給源は以下の通りです。
生活用水 全国平均 安全な井戸水 27.9%
地下水ポンプ 22.2%
水道水 19.5%
井戸水 10.2%
ジャカルタ 地下水ポンプ 50.6%
水道水 42.5%
飲料水 全国平均 安全な井戸水 24.7%
地下水ポンプ 14.0%
水道水 14.2%
給水所 13.8%
ジャカルタ ボトル水 36.2%
給水所 29.3%
水道水 15.8%
一人、一日当たりの生活用水使用量は、日本人は平均320リットルと言われていますが、インドネシア人の場合、約70%の人達は100リットル以下で生活をしています。
中でもインドネシア東部に広がるヌサトゥンガラ諸島の人達はほとんどが100リットル以下で生活しています。最も水を使う地域は古都ジョクジャカルタですが、それでも半数の人達は100リットル以下で生活しています。
インドネシアの人達は少なくとも朝と夕方に水浴びをしますが、それでも日本人のお風呂に較べると使用量は少なくて済むようです。
16-5. マーケット
全国には病院および地域健康センターと呼ばれる施設は約7,500以上存在し、首都ジャカルタだけで約400の施設が存在しています。
しかし、ジャカルタやスラバヤのように大都市を除き、病院と言われるのは県又は市に一つあれば良い状態です。
ジャカルタには最新の医療機器を備えた総合病院や、日本人医師が常駐するクリニックがあります。しかし、外国人医師は直接医療行為が禁止されていますので、相談を受けるという形を取っています。
外国人や富裕層、そし
て政府高官も、重病の場合や難しい手術の場合はシンガポールやアメリカの病院に行くのも普通になっています。
16-6. 主要な情報源