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2013.06.17 インドネシアでの仕事のアドバイス

労働組合によるデモについてのアドバイス

ある中小の自動車部品製造日系企業が労組によるストライキとデモの問題に巻き込まれてしまいました。仕事量が減ったことによる人員整理のプロセスにおいて、会社側と労組側に考え方の違いが根本的な原因と推測されます。以下はその問題に対するアドバイスです。

今回の件について

県労働局からの仲介者の提案に沿って解決した方が良い。

なぜなら、彼らを敵に回すと、今後同じような問題が起きた時に、益々不利な提案を突き付きられる可能性がある。

特に今回の問題については、事前に労働局側に相談していないように見受けられるが、もしそうであればこれは失敗である。たとえ契約社員であっても解雇のような問題については、企業、政府、労組の三者間での事前の根回しが必須である。

最終的に法廷に出て争うことも可能であるが、30人の賃金に較べると、その費用は較べものにならないものになる。

二輪の市場は昨年のローン頭金規制で一時的に落ち込んでいるが、元の増産状況に戻るのはそんな遠い将来ではないと思われるので、過剰人員もそのうち解消される。

今後の対応について

2014年の総選挙と大統領選挙を前に、政府の姿勢は明らかに労働組合寄りにあるので、これまでは事業者側の施策が灰色の場合は白とされたが、今後は黒とされるケースが増えて来ることを念頭におく必要がある。

今回の提案書にも書かれているが、インドネシア人、特にジャワ人は『話し合いによる合意形成』を非常に大事にする。そのため、経営者側と労組側は少なくとも月一回、特に問題がなくても、雑談でも良いから、定期労使協議会を開催すべきである。

日系企業で権限を持っているのは日本人だけであることは良く知られているので、労使協議会などには必ず日本人責任者が同席することで、労組側の信頼感を醸成する。必ずしもその場で最終回答を出す必要はなく、同席していることに意味がある。

言葉に不安がある場合は通訳を雇えば良いが、インドネシア人通訳の場合、争いを嫌がり空気を読み過ぎて、勝手に意訳することがあるので要注意である。出来たら日本人の通訳が望ましい。

普段から、県の労働局職員や、労組連合の幹部と会う機会を作る。あまり親しくなると周囲から誤解を受けるので、挨拶を交わす程度で良い。それだけでも問題が起きた場合の対応に差が出る。

インドネシアビジネスサポート