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2014.10.28 最近のニュースに私的コメント

半世紀前も日本人はインドネシアの変化に無関心だった

 1965年9月30日未明、インドネシア共産党はスカルノ大統領の健康状態が悪化する前に権力を把握するためにクーデターを図りました。その結果、反共の主力であった7名の将軍(内一名は身代わりとなった護衛兵)が殺害され、ジャカルタ南郊の鰐の穴と言われる井戸に投げ入れられるという惨事が起きました。

 直後に鎮圧に乗り出したスハルト少将の活躍でクーデターは失敗し、その後は共産主義の厳禁、中国との国交断絶、そして社会主義を標榜したスカルノ政権から、軍事主導による経済開発を主導する30年におよぶスハルト長期政権へとインドネシアは大きく進路を変えました。

 しかし、世界に名だたる親日国のこの史実を知る日本人は驚くほど少ないのです。その大きな理由は、同じ1965年に中国で毛沢東主席が始めた文化大革命です。今も変わりませんが、日本のマスコミは中国の動きを讃え、挙って報道する毎日で、インドネシアの政変は一般の日本人にはほとんど知られないまま今日まで来ました。

 そして約半世紀後の2014年。インドネシアは庶民派の大統領の誕生で、これまでの既得権階層に支配され、汚職に塗れた政治体質から脱皮する方向に進路を変えようとしています。しかし、日本のマスコミは今回も中国の動きに気を取られ、インドネシアの変化を多くの日本人に伝えようとはしていません。

 前回は経済成長の支援を日本に求めたことから結果として日本は今日まで最大の存在感をインドネシアにおいて享受出来ていました。しかし、今回はどうでしょうか?インドネシアはとても親日的であるというこれまでの関係に胡坐をかいていてはいけないと思います。一人の日本人として何が出来るのか、自分も変わらなくてはいけないと痛感しています。

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