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2014.12.24 インドネシアでの仕事のアドバイス インドネシア進出準備

インドネシア進出をプロジェクトマネジメントする

インドネシア進出をプロジェクトマネジメントする

 インドネシア進出を始める企にとって、その企業の規模に関係なく、それは大きな一つのプロジェクトです。プロジェクトは日々の定常業務とは異なる観点からの管理が要求されますが、これがいわゆる、プロジェクトマネージメントと呼ばれるものです。

 プロジェクトマネージメントを、NHKが昔放映したプロジェクト-Xのような、黒部ダムを建設するとか、新幹線を建設すると言った大規模な事業のマネージメントと考えている人もいると思いますが、非日常的な仕事の管理はそのほとんどがプロジェクトマネージメントであると言えないことも無く、インドネシア進出ための仕事もプロジェクトマネージメントと言えるのです。

 では、インドネシア進出、特に中小企業におけるプロジェクトマネージメントの要素とは何でしょうか。それは以下のような項目で表現できると思います。

①進出方針管理
②進出形態管理
③スケジュール管理
④費用管理
⑤見栄え管理
⑥人材管理
⑦コミュニケーション管理
⑧リスク管理
⑨アウトソース管理

 それでは順に概要を説明したいと思います。

①進出方針管理

 社長が突然考えを変えないことです。そのためには、方針を固める前に最低でも5年先までの事業計画を想定し、損益、資産、キャッシュフローの見通しを詰めておかなくてはなりません。

 インドネシアという未知の国で、5年先まで分かる訳ないだろう、と良く言われますが、これだけ売らないと、これだけ作らないと採算が合わないし、投資金額を回収出来ないという死活ラインが見えることが重要なのです。

 適宜、方針を見直すことは避けられませんが、単なる期待値やどんぶり勘定で進めると必ずどこかで痛い目に遭います。

②進出形態管理

 上記の事業計画とも関連することですが、独資で行くのかそれとも合弁会社にするのか、どこまで現地調達を実現するのか、現地の外注を活用するのか、販売市場をインドネシア国内に絞るのか等々、自分達が直接手を下す範囲をどこまでにするのかを、予め線引きしておくことで、人・物・金の投入規模が明確になって来ます。

 これらの線引きも進捗に従い変更を余儀なくされますが、周囲の変化や条件の変更に流されるのと、予め設定したところを軸足にして変化に対処するのとでは、後出のリスク管理の面でも大きな違いがあります。

③スケジュール管理

 インドネシアに会社設立して事業を始めるまでに処理しなくてはいけない仕事は山のようにあり、それぞれが関連し合っており何か一つのことを忘れたり、遅れたりすると、他の多くのこがその影響を受けてプロジェクト全体が止まってしまうこともあります。

 事業計画策定から始まって、工場の操業まで、必要な全ての仕事を網羅した、日単位の詳細なスケジュールに基づき進捗を管理することが肝要です。

④費用管理

 進出すると決めた時から色々な費用が発生します。現地法人が設立されるまでの当面の間は本社が負担することになります。現地法人が設立されても、売上が立つまでは支出だけが発生します。

 これらの準備費用は事業計画を立てる際に見落とすことが多いので、気を付けなくてはなりません。

⑤見栄え管理

 折角インドネシアに工場を新築するのですから、宣伝にもなるような見栄えのする建物を作るのか、それとも雨露が凌げれば良いレベルの建物にするのか。インドネシア進出の真の目的に合った沿った拠点にすべきです。

 現地視察ツアーはどちらかと言うと、立派な建屋を持つ、成功している日系企業を訪問することが多いのですが、現地企業も併せて視察すると、インドネシアでの見栄えのダイナミックレンジが実感できると思います。

⑥人材管理

 現地法人に駐在する日本人の確保は大丈夫でしょうか。何年くらい滞在してくれそうでしょうか。その後任は大丈夫でしょうか。

 立上時の組織だけを考えるのではなく、10年、20年先にどのような人材構成で回すのか、インドネシア人の配置も含めて考えていますか。

 操業開始した後に、インドネシア事業を成功に導けるか否かは、この人材の有無に大きく関わって来ます。

⑦コミュニケーション管理

 インドネシア語で会話をするとかではなく(それも大事なことではありますが)、インドネシア進出プロジェクトの情報が社内で共有されているかどうかが大事です。

 社長に聞かなければ誰も何も分からないでは、立ち上がった後の定常業務における本社との連携がスムーズに回らない危険があります。

⑧リスク管理

 インドネシア進出プロジェクトにおける最大のリスクとは何でしょうか。1.インドネシア政府から会社設立あるいは事業開始の認可が受けられず進出を中止する、2.様々な認可を取得する段階で時間が大幅に伸びて、投資回収の次期が遅くなり赤字期間が延びる・・・よくある話です。。

 インドネシアの許認可事情はアセアンで最悪と言われています。歴代の新しい大統領は就任直後は改善を約束しますが、今のところ抜本的な改善の兆しは見られません。

⑨アウトソース管理

 会社設立手続きの代行会社、人材採用のリクルート会社、立上当初の会計業務と税務報告を代行してもらう会計士事務所、工業団地外に設立する場合は地元政府や地域の首長達との交渉を代行してくれる地元の名士など、自分では対処出来ない処理がたくさんあります。

 時には時間をお金で買うことが必要となることもあるでしょう。しかし、会社を打ち出の小槌や金の成る木と勘違いされても困ります。なかなか難しい世界です。

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