インドネシア進出支援コンサルタントに求められる能力
日頃のコンサルティング活動をしていて、インドネシア、と言うよりも海外進出支援コンサルタントに求められる能力として、以下の三つがあると確信しています。
①土地勘
これは地理的なことに限らず、現地の歴史、文化、法律、社会、経済など、幅広い分野についての深い知識と理解を持っていることです。
そのためにはどうしても長年の現地駐在経験が物を言います。そしてインドネシアのことをこよなく愛していることが大事です。
具体的には、合弁相手、そしてサプライヤや販売店などのビジネスパートナーを開拓する場合に、この土地勘があるとないとでは、その経緯と結果に大きな違いが出て来ます。
土地勘があれば、どこで探せば良いのか、誰に当たれば良いのか、逆にどこに行ってはいけないのかが自ずと分かるからです。
②インドネシア語
言葉は所詮コミュニケーションの道具であるから、必要があれば通訳を付ければ良いではないか、と考えている人も多いでしょう。
本当にそうでしょうか。もし、英語もインドネシア語も分からなくて、日本語とインドネシア語の通訳を付けた場合、その通訳が自分の言いたいことを正しく伝えているかどうか、どうやって判断するのでしょうか。
また、相手の話の中にある微妙なニュアンスをどのようにして感じ取るのでしょうか。合弁契約などの大事な場面において、議論が深まった場合や、意見が食い違い紛糾した場合、通訳を介したコンサルタントで本当に大丈夫でしょうか。
③専門知識
顧客企業の製造技術については概要を理解することが必要です。その時にどのような理解の仕方をするのが重要になります。まさか、生産現場の技術を習得しようとするコンサルタントはいないと思いますが、その会社がインドネシアに進出する際に、その会社に欠けている専門知識をカバーすることが求められます。
特に中小企業の場合は、プロジェクトマネジメント、事業計画立案、貿易実務、人事労務管理、IT活用など、日本と言う恵まれた環境の中では意識しなくても回っていた分野が弱いので、そこを一緒になって実現するだけの知識と経験が求められます。
①と②があるため、私自身、インドネシア以外の国への進出支援を要請されても躊躇してしまいます。
皆様がインドネシアや新興国への進出支援コンサルタントを選ぶ時の参考になれば幸いです。