2015.01.24
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インドネシア汚職撲滅委員会は是か非か
インドネシア汚職撲滅委員会は是か非か
2003年に独立機関として設立されたインドネシアの汚職撲滅委員会(KPK)と警察の軋轢が激しくなりつつあります。KPKが新任の警察長官について汚職の疑いで就任に異を唱えたのに対して、警察はKPKの副委員長を汚職の容疑で逮捕しました。この種の軋轢は今回が初めてではなく、以前にも何回か発生し、その都度大統領の仲介などでうやむやのままになっていました。
今回の問題は、KPKに異議を唱えられた人物が、新大統領を支持した闘争民主党の党首であるメガワティ氏の元護衛長であったことで、キングメーカーである氏が激怒したことにもあります。本当は自分が大統領に返り咲きしたかったのを我慢して大統領にしてあげたジョコウィ氏も元護衛長を本気で擁護しなかった、と怒っているのかもしれません。
外には大統領選挙を闘ったプラボウォ氏が隙あらばと矛を構えており、内ではメガワティ氏が西太后然として娘と共に力を示そうと構えている状況をどのように乗り切るのか、ジョコウィ大統領の前途は予想以上に険しいと思われます。世論の変わらない支持が問われる時代になるでしょう。
それにしても、本来は警察と検察が行うべき仕事を、屋上屋を重ねるような汚職撲滅委員会に任せなくてはならない異常な政治体制はいつまで続くのだろうか。警察にはそこのところを真剣に考えて欲しいと思います。