2016.05.13
最近のニュースに私的コメント
インドネシアは不景気と言うけれど
最近のインドネシア発のニュースを読んだり、や現地の経営者に会ったりすると『景気が悪い』と言葉ばかりが出て来る。確かに中国向けの資源輸出が大幅に落ち込んだせいで、自動車などの販売台数は低迷している。そして、ルピア安による輸入資材のコストアップと、大幅な賃上げが続いたことにより過去5年間で2倍になった最低賃金は企業利益を圧迫している。
しかし、悪いとは言いながらも経済成長は、昨今の日本では考えられない5%前後を維持している。労働人口の半分以上は30歳以下であり、労働力に困ることは考えられない。賃金が上がることはコストの面からはデメリットであるが、間違いなく国内需要を押し上げる要因でもある。インドネシアの今の状態は日本が高度成長を遂げた昭和40年台と非常に良く似ているから手本は既にある。
GDPの一つの要因である公共投資をどんどん行えば良いのである。高速道路や高速鉄道の整備による物流の効率向上、一人当りの生産性を高めるための設備投資に対する優遇税制など、先ずはインドネシア政府が積極的に公共投資にお金を出して民間の投資を焚き付けることが必要である。日本はそれで高度成長を実現したのだから真似をすれば良いのだ。少なくとも中国からの投資に頼るべきではない。
インドネシアの経営者の皆さんには是非、マクロ経済の視点からもっと先を見据えて、上を向いて歩いて欲しい。いつまでも『景気が悪いと』うつむいていて欲しくない。