巨大なゴミ集積地
今回はリサイクル事業の調査でジャカルタの東隣、ブカシ県バンタールグバン郡にあるゴミ集積地を訪問しました。高速道路を降りて1時間くらい南下したところに広がる約20ヘクタールの土地には、高さ数十メートルはあると思われる巨大なゴミの山がいくつも築かれていました。
ゴミのほとんどはジャカルタから搬入されるとのことで、その量は毎日6,500トンに及び、そのうち4,000トンは発電などに再利用されるそうです。
と言う事は、毎日2,500トンのゴミが増えている訳で、確かに既に時間経過してその表面が雑草に覆われている山と、現在積み上げられているまだ新しい(?)山がありました。当然のことながら、周辺は大変な悪臭を放っており、今は清掃活動が行われて臭いが無くなった南ジャカルタのBlok-M、いわゆるリトル東京の昔の様子を思い出しました。
ゴミの山にも増して衝撃を受けたのは、以前からニュースなどでは知っていましたが、そこでゴミの分別をして回収業者に売り渡すことで生活をしているスカベンジャー(ごみやくずを拾い集めて生活する人達)の存在でした。
ジャカルタ北端の海岸沿いに林立する超高層豪華マンションやプライベートマリーナを備え付けた豪邸のすぐ横に広がるどぶ川沿いのスラム街にも衝撃を受けましたが、今回の景観をそれを凌ぐものがありました。
何十億円という単位の汚職で私腹を肥やす政府高官が後を絶たない一方で、悪臭と汚物の中で生きている人達。一体どうしてこんなにも格差が出来てしまうのか、数は少ないと思うがこのような人達を、庶民派のジョコウィ政権はどのようにして救済しようとしているのか、私には見当もつきません。
救いだったのは、あちらこちらにある廃材を集めて作られた多くのバラック小屋にインドネシア国旗が翻っていることでした。この人達も8月17日のインドネシア独立記念日を祝ったのだろうと思うと、嬉しくなる一方で、国旗や国歌を否定する反日教師に子供たちの教育を委ねている日本は、この先どうなるのだろうかと、ふと言い知れぬ不安を感じました。